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バールのようなもの
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novelistID. 4983
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とがしくんと10人のノス

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はじめに一人のノスが、がけのはしっこにぶらさがりました。
そのノスの足に、もう一人のノスがしがみついてぶらさがりました。
それを何度もくりかえして、9人のノスたちは自分の体で長いはしごをつくりました。
「おれが下まで行って、けが人を連れてくるのす!とがしくんは待ってるわいよー!」
最後に残ったノスが、そのはしごを降りていきました。
下まで降りたノスはけが人をおんぶすると、またノスのはしごを登りはじめました。
はしごが動くたびに、一番上のノスからミシリミシリと音がしました。一番上のノスには、ぶらさがっているノスとけが人をせおったノスの、10人分の重みがかかっているのです。
一番上になったのは、とがしくんの友だちのノスでした。
「おい、ノス。大丈夫か。つらくないか。」
ノスは顔を上げて言いました。
「へ、平気のす。ぜんぜんいたくないのすよ。」
言いおわる前に、ノスの頭からピピーピピーと音がなりました。
ノスがこわれそうになったときのけいこくアラームです。
「ノス、たのむから無理はするな。下の人がたすかってもお前がこわれたら、おれには同じだよ。」
「大丈夫のす、おれはこわれても、すぐにパーツをとりかえれば…」
ノスは言いかけてやめました。ノスたちを直してくれる工場も、もうありません。
二番目になっていたノスが、下から声をかけました。
「兄弟、もうちょっとがまんのす!一人運びおわったら、みんな交代するのす!」


何度も交代してけがをしている人を運びだした後、とがしくんとノスたちみんなでせおって、山を降りていきました。
ノスたちをロボットだと知って、少しこわがっている人もいました。そんな人にノスたちは楽しい話をして笑わせました。
けいたい電話の電波が入る場所までくると、とがしくんはすぐに119番にダイヤルしました。



やがてレスキュー隊といっしょにテレビ局のヘリコプターがやってきて、事故の現場をさつえいしました。
テレビの前の人たちは、けが人をせおって山を降りてくるノスたちととがしくんを見ていました。
日本中の人たちが見ていました。