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ファルクラム
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東方で走り屋小説 第一話『下り最速の巫女』

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東方で走り屋小説


※この小説は神主ことZUN様の作品である東方Projectのキャラクター設定などを使用した物ですが、
世界観の設定はもう滅茶苦茶になっています。
2次設定や個人的に考えたキャラ設定なども御座います。
それでも良いと言う方は、このまま読み進めてください。
もし幻想郷に自動車が普及していたら。
もし、幻想郷の道路がきちんと整備されていたら。
そんな妄想を、膨らませてみました。
それでは本編、どうぞ。






現実世界の裏・・・
結界を隔てた向こうに、人間と妖怪とが共存する“幻想郷”が存在する。
古風な空気漂う、のどかなところだ。
本来ならクルマ等の現代文明とはかけ離れた場所なのだが・・・。
数十年前、ある人物が伝えた自動車文明。
それにより、幻想郷は一気に近代化したと言っても過言ではない。
そしてある時、一人の人間がクルマを使った決闘方法を生み出す。
その決闘は一気に幻想郷に広がり、人間から妖怪まで広く浸透した。

今日もまた、どこかで誰かが走っているのだろうか―


第一話『下り最速の巫女』


〜博麗神社前〜

「今日も暑いわね・・・。」
真紅のシルビアにもたれかかる巫女服の少女。


―彼女の名は博麗霊夢、博麗神社の巫女である。
愛車のS15シルビアを駆り、様々な所でコーナーを攻めているらしい。
今日も彼女は・・・走りに行くようだ。


『カアアァァァァァァアアアッ!!』
ノンターボならではの甲高い音を立てながら、人気の無い山道をカッ飛ばす霊夢のS15。
目にも止まらぬ早業でシフトダウンし、コーナーに進入する。
くくっ、と軽やかにステアリングを操作し、テールが流れすぎないように操る。
「ん〜、気持ちいいわね」
ドリフトの出来が良かったのか、笑みをこぼす霊夢。
ノンターボでありながら、入念なチューニングが施された霊夢カスタムのシルビアは最高で225馬力を叩き出す。
足回りもキッチリ作り込まれ、ゆるいナローコーナーからきっついヘアピンまでオールマイティにコーナーを攻められるマシンに仕上がっている。

おっと、そうこうしてる間に山頂に着いたようだ。


〜山頂駐車場〜

「蓬莱ナンバー・・・?結構遠い所から来てるわね」
駐車場のド真ん中に停められている白いエボ5。
その横には二人の兎が。
・・・それと、見覚えのある黒帽子の少女。
「おぅ、霊夢!!」
その黒帽子の少女は霊夢を確認すると、大きく手を振ってきた。
「どうしたのよ、魔理沙?」
「いや、コイツらがバトルしろってしつこくてさ。あたしは今日ミラなんだよ。」
魔理沙がユビを指した先にはショボい軽自動車が止まっている。
「はは・・・そりゃバトル受けられないわね・・・」
苦笑いで答える霊夢。
そこに二人の兎がやってきた。
「あなたが・・・博麗神社の巫女ですか?」
「このエリアで一、二を争うウデだって聞いてるけど?」
片方の兎は霊夢に対し、かなり挑戦的な態度で話しかける。
霊夢としては、少し迷惑だ・・・。

(ちょっと魔理沙、こいつらに何吹き込んだのよ?)
(特に何も言ってないぜ?速い巫女が居る、って話しただけで・・・。)
(・・・アンタねぇ・・・)

「私たちは『ライトニングラビッツ』と言うチームの者なのですが、良ければ私たちとバトルして頂けませんか?」
髪の長い方の兎が霊夢に近づき、バトルの申し出をする。
「そう言われてもねぇ・・・。」
「お願いします!!」
霊夢に向かって懇願する髪の長い兎。
その姿に心を許したか、はたまた抵抗するのをやめたのか、霊夢はバトルをする事にした。
「・・・分かったわよ。さっさとエボを私のシルビアの横に付けなさい。」

・・・が、その霊夢の言葉を聞いた瞬間に二人の兎の表情が凍りついた。
「シルビア・・・?あの、日産のクルマですか?」
「S15のSpec-S。いいマシンよ?」
そして、その凍りついた表情がどんどん歪んだ笑みに変わっていく。
「えー、マジぃ!?ノンターボFR!?キモーい!!」
「ノンターボFRが許されるのはぁ、教習所までだよねー!!」

「・・・貴女達。私のシルビアをコケにした事、たっぷり後悔させてあげるわ」

「コケに、って言っても所詮ノンターボのFRマシン・・・エボの敵じゃないのよw」
「こいつシルビアなんかで速いなんて、ここはよほどレベルが低いみたいねwww」

その時霊夢の身体から何か負のオーラが出ているのが、魔理沙には良く見えたらしい。


〜山頂・スタート地点〜

『ガオォォォン、ゴァァァァァァッ!!』
ターボエンジンの咆哮を轟かせながらスタートラインにクルマを並べる二人組。
「じゃぁ、遠慮せずにカッ飛ばすよ!鈴仙、ナビよろしく!」
「OK、てゐ。いつも通りリラックスして走らせて。そうすれば、きっと勝てるから。」
「分かってる、鈴仙。あの方の顔に泥を塗るわけには行かないからね・・・。」
「ランエボこそが峠の王者って事、しっかり見せ付けてやりましょう!」
「うんっ!!」


「・・・おいおい、無茶だぜ霊夢!!相手は400馬力オーバーのバケモンだぞ!?」
「分かってる。だけど、“この子”をバカにした奴を許すことは出来ないから。」
「ったく、お前ってヘンな所で熱血だなぁ・・・。」
「そうかしら?」
「まぁいいか。・・・やるからにゃ、負けるんじゃないぜ!」
「モチロン!!」


霊夢の依頼を受けた魔理沙がスターターを務める事になった。
「じゃぁ、5からカウントするぞ?・・・5、4、3、2、1、ゴー!!」
『ゴァァァァァアアアアアアアアアアッ!!!!』
魔理沙の合図で、両者がスタートする。
無論、パワーのあるエボの方がスタートダッシュは速い。
魔理沙の視界から消える時には、二台の差は歴然としていた・・・が。
魔理沙は、霊夢の勝利を確信していた。
「ま、あーだこーだ言っても・・・霊夢には、馬力の差なんて関係無いだろうな。」


〜同時刻 中腹部〜

峠のちょうど真ん中らへんの所に止められている黒いクルマ。
ドイツの高級車メーカー『AMG』のセダン、E55だ。
「お嬢様、中国・・・いえ、美鈴からの報告です。『霊夢がスタートした』と。」
「そう・・・。咲夜、すぐ出れるよう準備して。あの巫女のドラテク、見てみたいわ」
「すぐ出れるように?・・・私が追いかけるのですか?」
「そうよ?軽〜く、トバしてもらえない?」
「分かりましたお嬢様。ご期待に沿えるよう、私とE55の力、存分に発揮します。」
咲夜は不敵な笑みを浮かべ、アクセルを踏み込む。
AMGがチューンを施した約5,5リッターのV型8気筒エンジンが吼える。
『ヒュイィィィィィンッ!!』
「咲夜・・・貴女またカスタムしたでしょ、このメルセデス。音を聞けば分かるわ。」
「やはりバレましたか・・・。怒らないで頂ければ嬉しいのですが。」
「誰が怒ると思う?貴女は紅魔館のメイドとして負けなければそれで良いわ。」
「フフ・・・承知致しました、お嬢様。」





『キュイィィィィィィィィィ!!』
ターボの出力が良い具合に上がってきた二人組のエボ。
エボ系特有のカン高いエンジン音が目立ってくる。