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追伸

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栄口へ

久しぶりだね。こうやって手紙を書くの、初めてじゃないよね。
俺、大学入ったばっかの頃毎日毎日忙しくてでも楽しくてさ。栄口と連絡取れなくなっても気持ちまで変わることはないって思ってた。でも、人間て怖いね…あんなに寂しくて仕方なかったのに栄口のことを思い出さないようにしたらなんとかやれちゃうんだ。
それに気付いた時にはなんか成り行きで彼女もどきみたいのができてた。…最低だよね。でも一つ言い訳させてほしいのは、彼女すごく栄口に似てたんだ。
でもやっぱり俺は栄口が好きなんだって気付いた。だから次会ったら言おうって思って…でもさ、栄口と偶然すれ違った時すげー楽しそうに笑ってただろ?
俺がいないほうがいいんじゃないかって思った。
でも意識しだしたら寂しくて悲しくて、愛しくてたまらなくて。新学期が始まったら絶対にこの気持ちを伝えて振り向かせようって決めた。そんなときだよ、栄口が一人暮らし始めたって気付いたの。…後をつけさせてもらったんだ。ごめんね怖いよね気持ち悪いよね。
だから、前みたいに手紙書いてみたんだ。本当に栄口が好きだって伝えたくて。

もし、さ。まだ俺のこと少しでも好きだと思ってくれるなら電話ください。
……考えたくないけどもし俺の顔なんて見たくないって思ったら空メ送ってください。時間がかかるかもしれないけど、諦めるよ…。だって俺栄口が好きだけど幸せでいてくれたらそれで良いんだ。できれば俺が幸せにしてあげたいんだけど。
じゃぁ、そろそろ終わりにするね。
本当にごめん。大好きだよ。

水谷 文貴
作品名:追伸 作家名:東雲