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迷子

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毎日、毎日。娘が見かけるたびに女の子はそこにいた。しかし・・・・・・・よく注意してみると、橋を通る人は誰も女の子を気にもしない。声をかけてみても、聞こえていないのかうずくまったまま。
娘は思った。
この”女の子”はもしやこの世の者ではないのではないのだろうかと。
「"小夜子”ちゃんはあそこで動けなかった。自分が一瞬の内に死んでしまったのにも気がつかなかったのでしょう。本来なら自分で気がつかない限りそこから一歩も動けない。」
頬杖をついて魔実也はいった。
「でも、上がるのは時間の問題でしたよ。きっと貴女が供養を熱心にしたからでしょうね。」
魔実也のその言葉に娘は目を潤ませる。その視線を受けて魔実也は微笑する。
「実に素直な良い子でしたよ。」
娘はゆっくりと魔実也に頭を下げた。


「あの子は幸せでしょうか?」
星空の下、娘が別れ際、魔実也にそうつぶやく。
「ああ、多分。大丈夫でしょう。」
魔実也は煙草を燻らせ。
「幸せになっていますよ。」

fin.
作品名:迷子 作家名:ぐるり