二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ゆめみごと

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 

安心させるような声色で白蘭が言うと、ゆっくりとまぶたを開かせて、正一の口元が綻んだ。ほっとしたような、嬉しそうな顔をして、それから再びまぶたを閉じる。隠れた緑色。深く上下する胸は、正一が今度は完全に眠りについたことを白蘭に知らせていた。

(行かないで、かぁ)

どっかに行っちゃうの、正チャンのくせに。近いうちに正一は日本のメローネ基地へと発つだろう。そういった物理的な別離だけではないことを、白蘭は知っていた。もうとっくに別離は始まっているのだ。それもたぶん正一の方から。それなのに。

「…これだから正チャンは」

このどうしようもない気持ちが伝わってしまえばいいのに。なんて、相変わらず握ったままの正一の左手から伝わるのは、どうしようもない熱だけだった。
作品名:ゆめみごと 作家名:ハカナ