お姫様は頭の痛いお遊びがお好き
妹たちは言っていた。帝人くんは、すごく普通の人間だと。だから素敵で、可愛くて、もっと知りたくて。だから構い倒すのだと。人間になりたいからこその、双子の馬鹿げたポリシー。所詮は若気の至り。だけど、帝人に関してのみ、臨也にも分かる所はある。
「分からなくてもいいよ。ひとつ、君にとって残念な予知をしようか。帝人くんが大きくなればなるほど、あいつらは積極的に君に絡んでくると思うよ」
「ええー?でも、なんで僕なんだろう。別に格好よくもないし、頭も良いわけじゃないからお話しててもつまんないだろうし」
だから興味を持つのだと、きっと言ってもこの子は分かるまい。それでいい。
きょとんと見上げてくる、幼い瞳。つないだ手のひらをブランコみたいに振って、「また明日、パソコンにネットつないであげようか」と臨也は話を逸らした。
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作品名:お姫様は頭の痛いお遊びがお好き 作家名:美緒