夢のあと(短編集)
雨と遠足
「……がっかり」
「何沢木、いつの間にそんな難しい言葉覚えたんだよ」
「うるせぇっ!俺は今ヘコんでるんだよっ」
「お前がうるさい。注目されちゃってるだろ僕たち」
「だって行きたかったんだよ、アスレチックワールド……しかも折角の弁当を外で食えねーのかよ……」
「僕は水族館も嫌いじゃないけど。あ、ほら沢木あれマグロ!」
「寿司?!どこどこ?!」
「……ここ、水族館だから」
「うっせぇ!知ってるぞそんくらいっ。ていうかお前なんでそんなに楽しそう……あぁっ!!」
「な、何?!」
「お前のせいで雨が降ったんだろ蛍っ」
「え」
「どうせてるてる坊主を逆さに吊したりしたんだろこの雨男ー!!」
「だから沢木、いつの間にそんな難しい言葉、うわ、はにすんはひょ〜(何すんだよー)」
「はっはっはっ、それ見たことかー!!ていうか蛍のほっぺたおもしれー、なんか雪見大福みてぇ!」
「うるへえ!!!(うるさい!)」