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Götterdämmerung

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自覚したのはいつのことだったか。
気が付くと己は小学生の自分になっていた。
小学校三年生の夏休みだった。
正臣が一緒にいて、引っ込み思案だった帝人が彼に引っ張られ、徐々に積極的に行動的になっていった時期。
虫取り、川遊び、山の探検。田舎は都会のような娯楽はないが、自然はたくさある。
そうやって外で遊んで子犬のように転げ回って、クタクタになって家で眠る生活が続いていた時のことだ。

おかしいと感じた。
知っていると感じた。
これは、二 度 目 だと。

そう思った途端、怒涛のような記憶が幼い帝人の頭の中に流れ込んできた。いや、戻ってきた、思い出したとでも言うべきか。閉じていた記憶の扉が開け放たれ、次々と覚えている長い記録が溢れだした。何も知らなければ、コレから辿る己の記録を。
そして帝人には分かった、思い出したからには、以前の自分にはもう戻れないことを。
知らなかった無知な己ではいられない。
一瞬にして数十年の齢を重ねてしまった少年は、幼いままではいられなかった。




作品名:Götterdämmerung 作家名:はつき