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きみこいし
きみこいし
novelistID. 14439
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その手に大空の輝きを 1

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そのころ遠い地。かつてこの国の王宮とよばれた城。
その玉座の間でザンザスたちは九代目の訃報をうけとっていた。
「なに?九代目が死んだだと?」
「は、そのまことに残念ながら。
 敵対ファミリーの襲撃をうけ、戦闘のさなか子どもをかばわれたそうで」
「く、くはははははは!!やっとくたばったか、あのジジイ。
 さっさと十代目継承を認めればよかったものを」
「やったね、ボス!これでいよいよボスがボンゴレのボスか」
予想に反する歓喜の雰囲気にとまどいながらも、伝令は自らのつとめを果たすべく、知らせの『続き』を口にする。
「ザンザス様、それが・・・」
「なんだ?」
「それが、九代目は亡くなられる直前に十代目継承の儀を行われたとのことで・・・」
「ボンゴレ十代目を継承・・・・どいつが?」
ザンザスの燃え上がる殺気に、震える声がこたえる。
「は、その・・・ツナヨシ様です」
「はぁ?あのおチビちゃんが?十代目?!ししししししっ」
「笑い事ではないぞ、ベルフェゴール!!」
「う゛ぉぉぉい、冗談言ってんじゃねぇぞ!!」
「は、ですが。その、事実でして・・・」
「・・・・カスが」
ザンザスは玉座から立ち上がると、コートをひるがえしバルコニーへ進む。
「ボス、もどんの?」
「カスは消すだけだ」
「う゛ぉぉぉい、先に行くな。
あんたはこの国中のやつらから狙われてんだぞ!!って聞けよっ!」
「わーい。ひとつ派手にいこうよ」
「遊びではないぞ、ベル」
「報酬ははずんでもらうよ」
「いや~ん、ワタシを楽しませてくれるオ・ト・コいるかしら?」
「ふしゅー」
ジジイの物好きにつきあう義理はねぇ。
ジジイ、最後までそっちがその気なら力ずくで継承してやる。ボスは二人もいらねぇ。
―――勝者がすべてを手にいれる。


かくして、闘いの火蓋は切って落とされる。
ボンゴレ十代目・ツナヨシとその守護者、そして正統継承者・ザンザスとその守護者。
ボンゴレ史上最大の内部抗争が、いまはじまる。