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きみこいし
きみこいし
novelistID. 14439
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青春アミーゴ 3

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しかし、そんなささやかな喜びもつかの間。
三人の前に、非常になじみのある雰囲気をまとわりつかせた一団があらわれた。ダークスーツにサングラス、不自然にふくらんだ懐。きらめく緑の木漏れ日あふれる公園には似合わない、ごつい、むさくるしい男達の群だった。
ザッとツナヨシたちの前に立ちふさがった集団から、リーダーとおぼしき男が前に出る。男は続いてロープで縛られた男を轢きずり出した。その人影にディーノがハッと目をみはる。
「探したぜ、跳ね馬ディーノ!あんたの部下がなかなか居場所を吐いてくれなかったんでな」
「ボス!すまねぇ、捕まっちまった」
「ロマーリオ!ったく、マッダリオ・ファミリーが何の用だ?昨日の会合で手をうったじゃねぇか」
「ああ、昨日は納得したがな。今日はそういう気分じゃねぇんだよ」
「は、オレの部下に手をだすとは、ズイブンなご挨拶じゃねぇか・・・てめぇら、覚悟はできてんだろうな」
大事な部下を人質にとられ、ディーノのまとう空気が一転する。彼はビシッと愛用のムチを構えると、不敵な笑みを浮かべた。ピリピリと肌を刺激する、ディーノの覇気にツナヨシはごくりと喉をならす。
がしかし、ピンと張りつめた空気に割り込んで、また別の一団が現れた。
ザザッと今度はツナヨシたちの背後を固めた男達は、これまたそろいもそろって黒装束の集団だ。殺気をふりまくその姿は、明らかに一般人ではありえない。
「ヴァリアーのザンザス!てめぇ、昨日はよくも。死んでもらうぜ!」
「わー随分物騒なオトモダチですねー(棒読み)・・・ザンザス、何したの?」
「知らねぇ」
「いや、相手はいたくご立腹ですけど!」
「は、カスどもが。うぜぇ」
ザンザスは非常にうんざりと吐き捨てるが、生来好戦的なこの男の右手には早くも『憤怒の炎』が光を放っている。心なしかイキイキとしてないか?

ディーノとマッダリオ・ファミリー、ザンザスと謎のオトモダチ。
(・・・なんかヤな予感)
一触即発の空気に、身の危険を察知したツナヨシはあわてて指輪と手袋とりだした。瞬時にXグローブに変化させ、額に炎を宿したツナヨシを見ると、途端に物騒な男たちはギラリと目を光らせた。
「なっ!てめぇ、その指輪と炎は・・・まさか、ボンゴレ・デーチモ!」
「まさか、こんなお嬢ちゃんがボンゴレ十代目だとはな」
「だがちょうどいい、このままコイツらを殺っちまえば」
「ああ、オレたちが頂点だぜ」
ジリジリとツナヨシたち三人を囲む輪が狭まってくる。意気揚々と迫り来る男達を見やって呆れたようにザンザスが吐き捨てる。
「おい、てめぇ。イヤだイヤだとほざくわりに、決定打与えやがって」
「え、やっぱしこれってオレのせい?」
「はは、だろうな」
男達の目的はもはや『キャバッローネのボス』でも『独立暗殺部隊ヴァリアーの隊長』でもなく、『ボンゴレ十代目』の首にまっしぐらだ。
ドン・ボンゴレ殺害→ボンゴレファミリーの乗っ取り→イタリアマフィア界の掌握。
ひどく頭の悪い筋書に、あちゃーとツナヨシは頭を抱える。自分はいたって平穏な生活を愛しているのに、青春を謳歌したいだけなのに。まったく、何故だ?
落ち込むツナヨシなどお構いなしに、お決まりのかけ声を合図に男達が襲いかかる。
「「「「やっちまえ!」」」」
―――――あ、やっぱりこうなるのね。

対するツナヨシたちも、それぞれ愛用の武器を手に飛び出していった。ディーノのムチが強かに敵を打ち、ザンザスの炎弾は空間ごと敵を吹き飛ばす。せっかくの青春を台無しにしてくれた礼とばかりに、普段は温厚なツナヨシも容赦ナシに敵を叩きのめしていく。
ザンザスとディーノとツナヨシ。三人はたがいに位置を立ち換え入れ換え、奮戦する。
瞬く間に積み上げられる戦闘不能者たちの山。
「死ね!ボンゴレ」
至近距離からの弾幕をかわすべく空中へ飛び出したツナヨシは、打ち込まれた銃弾を炎で薙払うと、くるりと姿勢を反転。急降下。迫り来る地上に敵の姿を視認したツナヨシはニヤリと笑う。
激しい運動(戦闘)に、鼓動は高鳴り、気分はハイテンションだ。
ツナヨシはふと、日本にいるガールフレンド達を思い浮かべた。
青春を謳歌するはずが、この始末。まったく、二人に何と報告しようか。

結局はいつもと変わらぬ物騒で剣呑な日々。
だけど、それなりに。
――――――オレも『青春』らしきものを謳歌してるみたいだ。


END.
作品名:青春アミーゴ 3 作家名:きみこいし