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きみこいし
きみこいし
novelistID. 14439
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青春アミーゴ 3

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ディーノの治療を終え、改めて席につき食事を楽しむことにした。
「そういえば、ディーノさん。今日部下の人たちは?」
「ああ、ロマーリオたちなら今は休みだ。その辺でのんびりしてんだろ、どした?」
「いえ、やっぱりと思いまして・・・・」
先ほどからディーノは持ち前の『天然っぷり』を遺憾なく発揮しまくっている。メインディッシュをナイフで切り分けようとすれば、そのナイフはザンザスへ飛んでいき、ボトルからワインを注ごうとすれば、グラスよりもクロスに多く注いでいる。
ホントに部下がいないとかなりのボケっぷりを発揮する兄弟子なのだった。こればっかりはリボーンでも直せなかったらしい。
とはいえ、でてくる料理の美味しいこと。美味しいこと。ツナヨシは至極ごきげんで、モグモグと料理を頬張っている。
「ん~、このムニエルすっごくおいしい!」
「ツナは魚か。こっちの鹿肉もうまいぜ。一口いるか?」
「うん!」
「ほれ、あーーーん」
「はむ。っふ、おいひい」
「はは、ソース口についてるぜ」
ディーノは手元のナフキンでツナの口元をぬぐってやる。
「ありがとうございます。この、ニョッキもすっごく美味しいですよ。一口食べます?」
「おう、サンキュ」
「あ、ディーノさん。口元にソース、ソース」
「お、わりぃな。ツナ」
今度はお返しにツナヨシがディーノの口元をぬぐってやる。
そんな二人の様子を至極うざそうに無視し、一人黙々と肉を食べ、不機嫌に酒を呷り続けるザンザスだった。

そんなこんなで食事も終わり、会計をすませた三人はレストランを後にした。
「ごちそうさま!あーおいしかった」
ニコニコと満面の笑みを浮かべるツナヨシにザンザスは呆れた声で応える。満腹、満足、幸せだと顔中にかいてある。わかりやすいことこの上ない。
「まったく、てめーは何食わしてもうまい、うまいで食わせ甲斐がねぇな」
「えーーーだってホントに美味しかったんだもん」
「まあいいじゃねぇか。見てるだけで、こっちまで幸せになっちまうぜ」
「相変わらずてめぇはコイツに甘ぇな」
「ま、なんたってかわいい弟分だもんな。ツナ、腹ごなしの散歩がてらジェラート食べにいこうぜ。この間うまい店見つけたんだ」
「やった!行く行く」
キラキラと目を輝かせ歩き出すツナヨシとディーノ。
(仮にもマフィアのボス二人が連れだって『散歩』に『ジェラート』・・・くだらねぇ)
このまま捨て置いてもよかったが、部下のいない『へなちょこディーノ』に一応Xグローブは持っているらしいが、戦闘には不向きな格好に加えて荒事を極度に嫌うツナヨシ。
(めんどくせぇ・・・)
が、放置もできまい。諦めとともに、ザンザスは二人の後に続いたのだった。


ディーノのオススメのジェラート屋は、近くの公園に移動式の店(つまりはワゴン営業なのだろう)を出しているらしく、三人は公園の遊歩道をまったりと歩いていた。
若干一名、この平和で爽やかな空間にそぐわない男がいるものの、空は青く澄んで、キラキラとまぶしい日の光に、木々の緑が輝いている。ウキウキと気分もご機嫌なツナヨシだ。
(ジェラート♪ジェラート♪たのしっみ、たのしっみ!さっきもご飯すっごく美味しかったし。そういやザンザスって、結構グルメなんだよね。「肉、酒」しか言わないけど、ちゃんと美味しい店知ってるしさ。あれ、そういやこれってグルメにスイーツ?!もしかして、今ちゃんと青春してるのではなかろうか?)


作品名:青春アミーゴ 3 作家名:きみこいし