恒例行事
それに、とルナマリアは時間を気にしながら、レイの肩を軽く叩いて、何かをあからさまにたくらんでいるような笑みを浮かべる。
「たとえレイが気づきたくなくても、私がそれを知ってるんだから」
だから終わらせないわ。
2人の愛を終わらせないわ。
「だから、いつまでもこうして励まし合っていければいいじゃない」
それなら。
レイは大丈夫だと、自分に何度も言い聞かせる。
その場しのぎの情熱も、ごまかしの熱情もかなぐり捨てて。
死すらも恐れることなく。
「本腰入れて、愛し合えと?」
決まり切った儀式のように互いの傷を舐め合い、血をすすり合い続けて。
そうして死後の世界も、楽園に変わる。