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病的な子供達 ~願いと未来~

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見上げると、白い天井が広がっていた。
自分は、何を、していたのだろう。
横には空いたベッド、があった。
何もない。
そこに、誰かがいたような、気がする。
声がした。
悪魔、がいた。

「あんたに伝言だ」

そういって、誰からのものかも分からない伝言を、私は受けた。
悪魔は、どこか悲しそうな顔だったように思える。

白衣の人たちは、私が目覚めたのが、奇跡だと言った。
コートを着た人は、びっくりしていた。
いろんな人は、祝福をくれた。
でも、となりのベッドが空いてるように、心の中に何かが足りない気がする。

しばらくして、私は、普通の生活に戻った。





奇跡的に目覚めてから数年。
今では普通の人と変わらない生活をしている。
夢見ていた仕事をしているし、やりたいことはやれている。
いつも笑えている。
でも時々、何故か天国みたいな場所の景色を思い出したり、見たこともない男の人の顔を思い出したりする。
そして、その男の人はいつもあの時の悪魔からの伝言を言う。
誰かは知らない。
でも、彼の顔を思い出すときだけは何故か笑顔になれない。

そして、男の人の顔を思い出すたびに、私は感じる……
喪失感を。