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二年後設定銀桂短編集

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「ああ、そーだ」
銀時は認めた。
しかし、それでは終わらない。
「だが、オメーの身体を使ってまでとは思わねェよ。そんなぐれェだったら、たとえ無茶でも、他の方法にする」
ぶっきらぼうに言う。
「つーかさァ。ソイツら、オメーのこと気に入って、指名してきたんだろ」
「ああ」
「そんな下心いっぱいのヤツらがオメーの身体をさわったって思ったら、滅茶苦茶ムカつくんだよ」
銀時は吐き捨てた。
その言葉では大げさなものではなく、本気で腹をたてているようだ。
桂は少し困る。
向こうに下心があるのは、真選組隊士だけにはとどまらない。
指名してくる客のほとんどがそうだ。
「だが、まあ、仕事だからな」
「あの店、おさわり禁止だろ」
即座に銀時は言い返してきた。
たしかにそのとおりだ。
特盛や他の店員の眼の届かないところで何かにつけてさわってくる者もいるが、店の禁止事項の中に店員へのおさわりが入っていて、それは店内に貼りだされている。
だから、桂は言い返せない。
こういうとき、銀時は頭が悪いようで本人も悪いように言うが、実は、頭がかなり良いのではないかと思う。
桂は黙りこむ。
「仕事をやめろとは言わねーよ」
銀時が近くから言う。
「だが、下心のあるヤツが思いあがったことしてくんの、ゆるすんじゃねェ」
その手がまた動き始める。
いろいろとしてくる。
それらは、すべて、銀時の特権だ。
やがて、畳に押し倒された。
すぐに銀時がのしかかってくる。
見あげると、銀時の顔がある。
頬に大きな傷のある、精悍な顔だ。
男前の部類に入る顔立ちだが、本人は三枚目をよそおいたがる。
いつもやる気のなさそうな顔ばかりしているが、今は、真顔だ。
じっとこちらを見ている。
「他のヤツにほんのちょっとでも譲る気はねェ」
その顔が近づいてくる。
「テメーは、俺の」
もう、かなり近い。
「恋人、なんだからな」
照れ隠しのように小声で告げた。
桂の心が揺れる。
銀時、と名を呼ぼうとした。
止める気も、あらがう気も、なかった。
しかし、少し開いた口をふさがれる。
くちづけられる。
桂は畳にあった手をあげて、自分の恋人のほうにやった。





作品名:二年後設定銀桂短編集 作家名:hujio