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二年後設定銀桂短編集

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このままでは平行線だ。
さて、どうしようか。
桂は考える。
そのあいだも、銀時は桂の身体にさわり続けている。
迫ってくる銀時に押される形で、桂の正座していた足はとおに崩れていた。
チャイナドレスの深いスリットから、銀時の手が入ってくる。
無骨な手が脚をなでている。
それは太もものほうへと移動する。
他の男にはさわらせたことのないところだ。
すぐそばにある銀時の身体が興奮しているのが伝わってくる。
それに自分の身体も同調し始める。
桂は少し身をよじった。
「銀時」
厳しめの声で、呼びかけた。
それでも銀時は離れず、むしろ、逃がさないといった様子で桂の身体を抑えこんでいる。
さらに、顔を近づけてくる。
「俺の特権だろ」
そうささいた。
普段はめったに聞けない、少し甘えたような声だ。
その声に、桂の身体の中で反応するものがある。
流されそうになり、だが、かろうじて踏みとどまった。
「銀時、おまえだって、真選組の情報は必要だろうが」
桂はできるだけ冷静な声を作って、言う。
「おまえが、猛将だの、坂田将軍だのと、呼ばれるようになったのは、この町を護るために動いているからだろう」
二年まえまでは、かぶき町の権力者のお登勢の用心棒として一目置かれている程度だった。
それが、かぶき町きっての猛将とまで言われるようになったのは、真選組が送りこんできた者たちを、ことごとく退けてきたからだ。
「おまえだって、真選組の暴走を止めたいのだろう」
今の真選組による江戸の支配を、おそらく、銀時は苦々しく思っている。
だが、その真選組の頂点に立っているのは、沖田だ。
沖田と銀時は仲が良いわけではないが、いろいろなところで縁があり、つき合いがあった。
銀時は自分の手の届く範囲まで来た人物に、甘い。
裏切りともいえるようなひどいめにあってさえ、相手を命がけで護ったりする。
とうぜん、沖田に対しても、そうだろう。
沖田に最悪の結果をもたらさずに、その暴走を止める方法を、銀時は探している。
そんなふうに、桂は感じていた。
作品名:二年後設定銀桂短編集 作家名:hujio