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二年後設定銀桂短編集

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「そういやさァ、新八の言うとおり、一週間、休暇を取ったことがあった。その休暇が終わった翌日なんだよな、沖田が反乱を起こしたのは」
「もしかして土方も同じなのか」
「ああ、本人はそう主張してるらしい」
「つまり、二人そろって、沖田が反乱を起こす直前までの記憶しかないということだな」
「ああ」
二年まえ、沖田は真選組内部で反乱を起こした。
そして、松平片栗虎を更迭し、自分が真選組の頂点に立った。
それから、近藤と土方を下っ端まで降格させた。
「嫌な記憶を消し去りたかったのか」
「さァ、どーだろーな」
新八と土方の記憶が、二年分、飛んだ理由は、わからない。
「今日、新八君と会ったが、たしかに様子がおかしかった」
桂には銀時が昨日のうちに電話をかけて新八のことを話していた。
だから、桂は新八の様子を見に行ったのだろう。
「それは九兵衛殿も確認している」
九兵衛も桂と同じように、かまっ娘倶楽部で身を隠している。
ただし、理由は桂と異なる。
沖田が真選組の頂点に立った頃から、幕府の柳生家への風あたりが厳しくなった。
さらに、沖田が将軍の首を狙っているらしいとの噂が聞こえてきた。
九兵衛は真選組から狙われないため、そして柳生家の次期当主として将軍を護るために、あえて、まったく違う場所に身を置くことにしたらしい。
理由は異なるものの、桂は九兵衛と手を結んでいる。
目的は神聖真選組の暴走を止めることで、一致しているからだ。
「だが、新八君が味方であるのは変わりないようだな」
「ああ」
「問題は土方だ。二年まえの土方なら、鬼の副長ということだな。どう動いてくるか」
桂は眼をそらした。
考えこんでいるような表情だ。
その顔を、銀時はじっと見る。
長いつき合いで、見慣れた顔である。
しかし、それでも引きつけられる。
銀時はソファから立ちあがった。
やる気のない表情のまま、桂の座っているソファのほうに行った。
そして、桂の横に、無造作に腰をおろす。
桂がこちらを見て、たずねてくる。
「なんだ」
「別に」
銀時は素っ気なく答えた。
そばに行きたくなったから来ただけだ。
けれど、そんなことは言わない。
作品名:二年後設定銀桂短編集 作家名:hujio