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シープスリープ・カウントシープ

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プライベート用の携帯電話を枕元に放り、飴色の寝酒を口に含んで硝子の瓶をサイドテーブルに置いた。取り替えたばかりのシーツはとても柔らかく肌馴染みがいい。アントーニョはブランケットに包まり、呼吸をする肺の速度で眠りへと落ちてしまう。

【シープスリープ・カウントシープ】

窓の外では星がキラキラと輝き、ぽつりぽつり、燈る街灯や街の明かりが、夜の闇にぼんやりと浮かんでいた。今夜は新月、月がない。街はもう、とても静かだ。
無意識に横を向いてアントーニョは眠る。ダブルサイズのベッドの少し端。気づかない振りを自分でしながらも、本当はとっくに気づいていた。左手を少し遠くに投げ出し、手のひらは握るような形をしていること。
そのさきのかれを、おもいえがいているということ。
呼吸の速度でゆっくりと肺は上下していた。、吐き出す二酸化炭素が夜の粒子に静かに混じる。
瞼の下の眼球が、時折せわしなく動いた。
闇にまぎれてくちびるはそっと開き、彼の名を呼ぶ。おそらくは、心臓が。
伸ばした左手の指先が、かれをそっと掴んだ。きゅう、と握る。夢の中で。


あしたはあえると、いいなとおもう。