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よしこ@ちょっと休憩
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力の信奉者

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 サマルトリア王はコナンに優しく言い聞かせた。
「お前には才がある。お前は美しい。アレン殿もお前を愛すだろう。あの方の険しい道のりを、お支えしなさい」
 父王に言い含められて、コナンは震える唇を噛むと、瞼を開いてアレンに視線を投げた。アレンと自分の違いを己に教え込む積もりで、人々の賞賛の中心にあって、覇気を纏い杯を掲げて立つローレシアの王子を見る。
 アレンの強い目と視線が合った。
 ふと、ギガンテスを一刀で唐竹割りにした剣技を思い出してぞくりと痺れがつま先から背筋を這い上がる。
 コナンは悔しさと共に、自分もまたアレンのあの剣技に見せられていたことを実感する。その屈託を飲み込んで微笑みを浮かべて見せる。いくら強かろうが年下の少年に、己の弱みを晒すつもりはない。
 アレンはコナンの微笑みに目を見開いた。そして漸く、厳しい表情のまま強ばらせていた顔を緩め、褒められた子供のように満足そうに頷くと、なみなみと酒をつがれた杯を呷った。
 威勢の良い飲みっぷりに、周囲の騎士達が手を叩いて盛り上がる。
 一気に酒を飲み干して、今日の英雄が、コナンに向かって杯を掲げる。
「行ってきなさい」
「……はい、父上」
 感情を押し殺した声で返事をすると、コナンは王座のあるひな壇からゆっくりと降りる。
 側近から差し出された酒瓶を受け取り、優雅な足取りでやってくるサマルトリアの王子を、武勇の王子アレンは心から嬉しそうに眺めた。