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【土沖土】土方を何にでも利用する沖田の話

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鎖骨の下に噛み付いていたとき、背伸びはしていなかった。そして今、顎へちゅうとかわいらしい音を立ててキスをするときも同じだ。背伸びをしない沖田のぺたぺた歩く足は床にきちんとくっついて、足指の先についた爪はすらりと並んでいる。

まさかと苦い気持ちになって、見据えた先の目は切っ先のようにきらきらしている。土方さんを利用できるならどんな小さなことにだってと言い捨てたときと同じまなざしでこちらを見ている。
その目は煌々と赤く、鏡のように透明だった。じっと見ていると暗示にかけられているみたいに拒めなくなって性質が悪く思うのだが、けれどもっと性質が悪いのは、決して暗示にかけられているのではなく土方が自分の意思でそれを許していることであった。

この子供がかわいいのである。