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ぎとぎとチキン
ぎとぎとチキン
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果実の話

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部屋につくと、帝人君はリビングでテレビを見ながら宿題をしていたらしい。
そんな事しなくても、俺が教えてあげるし、答えだけだって幾らでも手に入るのに、本当に帝人君は真面目だ。
帝人君は俺が帰ってきたのに気付くと、はにかんだ笑顔でおかえりなさい、と言ってくれた。
本当にこの子、天使かもしれない。
俺はそんな帝人君の横に座ると、肩を掴んで真剣な顔で、唇を開いた。

「帝人君、大事な話があるんだ。」
「…はい?なんですか?あ、もしかしてダ」
「ラーズは関係無いよ、でも俺達にとっては、もっともっと重要とも言える。」
「……はあ、えと、じゃあ、なんですか?」

帝人君はきょとん、と首を傾げて俺を見つめてくる。
ああもうマジ天使。
天使だが、しかし、ちゃんとしっかり問い詰めねばなるまい。
甘やかしてしまいたいけど、というか頑張ってどんな結果であろうが、なんとか努力して見せるけども、しかし。
……違うと、いいなあ。

「…帝人君、最近なんか、やけに俺の乳首、触ってくるよね、なんでかな?」
「っ…そ、そうですか?気のせいじゃあ…、」
「昨夜から換算して、13回触ったよね、というか朝だって触ってきたよね、それはつまり気のせいじゃないって事だろう?ねえ、別に俺は怒っている訳じゃないんだよ、ただ、そう、その答え如何によっては、新羅に相談しなければならないかもしれないんだ、だから正直に答えてほしい。ねえ、なんで?」

ちなみに、当然だが新羅に相談する内容はよく効く抑吐剤、もしくは睡眠薬の処方である。
帝人君は俺の言葉にか剣幕、もしくは真剣な表情にだろうか、おずおずと言ったように口を開いた。

「えっと、僕、学生ですから、体育があるんです。」

視線を逸らして、しかしチラチラと俺の方を見ながら、告げられた言葉に、俺は目を瞬く。
いや、だって、今聞いたのは俺の乳首を触る理由であって、帝人君の学校に体育がある事ではない。(というか大抵の学校には体育があるよね)
それについて言おうかと思ったが、帝人君が必死に言葉を続けるようなので、終わるまで待ってみる事にした。

「それで、ですね、当然、着替えが、ある訳です。」
「ああそうだよねえ、本当帝人君の半裸を見れるとかなんて贅沢な…あ、そうか、帝人君専用更衣室とか作る?大丈夫、校長に言えばすぐ用意してくれるから。」
「いえっ!あのっ!逆に恥ずかしいですそれっ!!」

無論、口は挟んでしまう訳だが。
考えてみれば帝人君の小鹿の様な体を、高校男子なんていう野獣の群れに放り込むなんて、なんて危険なんだろう!これもちゃんと対策しないとね。(決定事項)

「えと、それ、で……その、気付いたんです。」
「何に?あ、同級生の厭らしい視線に?どいつ、ちょっと始末してくる。」
「違いますっ!だからっ、あのっ!ぼっ…く、の……ちくび、が……みんなより、おっきいって…。」

・・・・・・・、
思わず、帝人君の顔をガン見してから、来ていたワイシャツをボタンを飛ばして剥いでいた。
ひやぁっ!なんていう可愛い悲鳴が聞こえたが、これは不可抗力だと思う。
だって、そんな、こと……言われたら、ねえ?思わず確認するでしょう。(確認なんてしなくても感触から色形全て覚えているけども)
帝人君は必死になってワイシャツを掴んで胸を隠しているけども、俺は間から手を差し込んで、感触と大きさを確かめる。
小さい喘ぎ声が上がって、思わずエレクトしてしまう所だった、危ない危ない。

「……いつも通り、愛らしい乳首だけど?」
「恥ずかしい事言わないで下さいっ!絶対、前よりおっきくなってます!なんか赤いし、そういえばシャツに擦れるとむず痒い気がするし、本当っ、臨也さんの所為ですからねっ?!!」
「ああうん、ごめん。」

ちょっと今、俺、鼻血出てないだろうか。
公式眉目秀麗として、ちょっとばかり人前(しかも帝人君の前)で鼻血は遠慮したい。
でも、ちょっとこれは、可愛すぎではないだろうか。
思わず呆然としたまま謝ってしまったので、帝人君は頬を膨らませてご立腹だ。
ああもう俺の手をつねってくる所までも天使。マイエンジェル。

「だから、僕だけ恥ずかしいのは不公平なので、臨也さんも同じようにしてやろうと思って、触ってましたっ!!」

帝人君は勢いよくそう告げると、ツンとそっぽを向く。
その耳は真っ赤で、純な彼の事だから、まず乳首という単語自体が恥ずかしいのだろう。
可愛い、本当可愛い。ちょっと写メ!(とは思ったけど、やったら確実に一週間口を聞いてくれないフラグが立つので自重。自重とか俺の辞書にないと思ってたよ本当)
それにしても、そんなに可愛い理由だったとは…。
先刻までの考えに至った俺を、頭の中で全力でぶっ飛ばした。(あ、思い出すな思い出すな折角の可愛い帝人君が穢れる!)
大体において、俺は帝人君と違って学生ではないので、人前で着替えるなんて事はまずない。
なので、帝人君の報復に意味は無いのだけれども…。
というか、そもそも触り方が本当に普通に性感を高める感じじゃなく、撫でたり引っ掻いたりなので、多分、俺の乳首が帝人君のようになる事は、無いと思う。
無いと、思う、の、だが、しかし。
それをそのまま帝人君に告げるのは、酷というものだろう。
と、いうか。

「…………ねえ、帝人君。」
「………………なんですか、臨也さん。」
「お願いですから、抱かせて下さい。」

取りあえず今は、ソファの上で土下座して、全力でお願いする事が最優先事項だ。
帝人君は呆れたような顔で俺を見て、それから溜息を吐いて、笑った。
しょうがないですね、という顔だった。
俺は歓喜して、帝人君に飛びつ、こう、と、して、はっ叩かれた。

「寝言は寝て言って下さい。」

………せめても、ボールペンで刺されない辺り、優しさだろうか。
帝人君はふてくされた顔で俺の乳首をチャイムか何かのように連打しながら、呟いた。

「絶対、臨也さんも同じにしてやる。」

……ちょっと、なんとなく、全力で殴ったはずのアレな思考を、思い出して、俺はトイレに駆け込んだ。
ちくしょう、やっぱり抑吐剤なんてプラシーボに違いない。
作品名:果実の話 作家名:ぎとぎとチキン