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「何かが起こりそうな夜は祈りを捧げて目を閉じなよ」(1)

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 蛍光灯の紐を引っ張り豆電球だけにすると、雷蔵はまた体勢を戻し、今度こそ布団を被った。横に寝返りを打つと、薄いカーテンの向こうに月が光っているのがぼんやりと分かった。暗闇に目が慣れてきたところで、自分の枕元にある、丁度4分の3程まで読み終えて栞の挟まった本を見て、そういえばどういう粗筋だったっけ、と考え始め、主人公が全てが終わった後で、誰かの生と、出所も行き場も分からない寂寞の念に涙する場面まで思い出したところで、眠りに落ちた。