二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

俺が君に恋した理由

INDEX|7ページ/7ページ|

前のページ
 


「しかし、そう簡単に愛せるはずも無かった。なぜなら折原臨也は深い深い悲しみに暮れていたから。」
「…臨也さん。」
「ミカドくんを失った苦しみはやはり大きかった、しかし女神は折原臨也を見放さなかった。そう、それはいつものように臨也が街を歩いている時だった。」
「・・・臨也さんっ」
「向こうから、1人の少年が歩いてきた。臨也は目を疑う、それはまさにミカドくんとそっくりな容姿をしていたから。」
「・・・・・・臨也さん!」

「その瞬間折原臨也はわかった。自分がこの世に生まれた意味を!今までギリギリでスレスレでダラダラと無意味な人生を送ってきた意味を!」
「い、ざ、や、さん!!」

「そう、俺は君に恋するために生れてきたんだよ、帝人くん。」
俺が帝人くんに微笑むと、帝人くんはとっても大きなため息をついてくれた。
あれ?それちょっと失礼じゃない?

「なんで貴方は意味も無くそうスペクタクル長編でファンタジックな大嘘をつくんですか?」
「えー?酷いな、嘘だって決めつけるなんて!」
俺が泣き真似をしてみせると帝人くんの深い深いため息がまたつかれた。
「だいたいミカド=ロボ2010ってなんですか?今年2010年だし!嘘つくならつくでもう少しまともについて下さい!」
「…俺は帝人くんには嘘はつけないよ。」
「はい、それ嘘!」

帝人くんの冷たい視線が刺さる。

「まぁ、そりゃミカドロボのとこは脚色だけどさ、全部が全部嘘だなんて決めつけなくても良いんじゃない?」
俺がそう言うと、帝人くんは少しだけ表情を硬くした。
「え、本当の部分もあるんですか…?まさか、臨也さんが昔は人間が嫌いだったとか、苛められてたとことか、嘘つかなかったとか笑わなかったとか、そこら辺ですか?」
「ああ、そこら辺は全部嘘。」
俺がアッサリ白状すると、帝人くんは「そうですよね、そんな臨也さん気持ち悪くて想像できませんから。」と笑う。…そうですか。
「だいたい僕が臨也さんのご両親について尋ねただけなのに…なんでこんな長話になったんです?」
「あ、そういえばそうだったね。えと、なんだっけ?…確か俺の両親に嫁入り前のご挨拶してくれるんだっけ?」
「な、ち、違います!臨也さんが馬鹿なことばかり言うから『親の顔が見てみたい』って言ったんです!」

帝人くんは顔を赤くして怒る。ああもう、何してても可愛いなぁ、君は。

「さっきの話はね、9割9分9厘嘘だよ。」
「…人はそれをホラ話と言うと思います。」
「えー、でも1厘だけほんとのこともあるんだって。」
「…どこですか?」
「秘密v」

わかるかなぁ、わからないだろうね、帝人くんには。
でもそれで良いよ。俺だけがわかってればそれだけで。

そう、俺は君に恋するためだけに生れてきたんだ。
だから俺が君に恋する理由は俺が生まれたその瞬間に決まってたんだ。

「っあ!わかりました!」
「え?」
帝人くんが得意げに笑う。
ふふ、っとしてやったりな顔の帝人くんも本当に可愛らしい。

「鼻血が赤いところは本当ですよね!」
・・・。
まぁ、ね。そりゃ俺の血は赤いだろうさ。でもそこ嘘だったりしたら俺人間に分類されなくなっちゃうよ?
「正解ー☆」
「やったぁ」
君が喜ぶならそれで良いや。








「ところで、僕、さっきの話の中に少し気に食わないところがあるんですけど。」
「え?」
「ミカド=ロボ2010なんですけど、そんなロボットより僕の方が臨也さんを喜ばせられると思います。」
「そりゃ、ミカドくんとはセックス出来ないけど帝人くんはいつも俺の腕の中で可愛く啼いてくれるじゃない。それだけでもう帝人くんに敵うものは無いよ。」
「って、そんなことで張り合ってません!」
「えー?」
「さっきのセリフ、僕に言ってみて下さい。」
「『俺のこと好き?』ってやつ?」
「そう、それです。」

「ねぇ、帝人くん。」
「なんですか?臨也さん。」
「俺のこと、好き?」

「好きじゃありません、  大好きなんです。」

「・・・。」
「ね?」
「・・・(ああ、もう本当にどうしてくれようか)」
作品名:俺が君に恋した理由 作家名:阿古屋珠