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さいとうはな
さいとうはな
novelistID. 1225
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いただきます、ごちそうさま。

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 不機嫌な獣のように喉を鳴らして、慶次はぐりぐりと額を元親の肩に押し付ける。そうなのだ。愛情表現は割りと過剰気味で自分からはべたべたとくっつきたがる癖に、なぜだか慶次は滅法押しには弱い。元親と「そういう仲」になって暫くたつというのに、いまだにちょっと迫られればこの有様である。初々しいというか、乙女のようだと言うか。そんな慶次に、元親の方では相好を崩しまくっているのだから、まあお互い様なのだけれども。
「じゃあ慣れろよ」
「無理!」
「無理とか言うなっつの。取り合えず午後はこのままパスな」
「え……?」
 なんだか不穏な気配に、慶次はそろそろと顔を上げる。間近で、やったら男前に微笑む彼氏さんの笑顔がなんだか怖い。
「甘えんの好きだろ? じっくり甘やかしてやるよ」
「うえ、ちょ、やだって恥ずかしい恥ずかしいマジ無理だしえっちなのはいけないと思い、むぐ」
 照れ隠しにきゃんきゃんと喚きだした慶次の口はやっぱりというかなんというか、再びキスで塞がれた。その後、まんまとべったべたに甘やかされ、最終的にはもっとちゅうしたい、とは慶次にとっては噴飯ものに恥ずかしい台詞を言わされたりなんだりとあるのだけれど、取り合えずはご馳走様、という事で。