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ささめゆき

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「一緒にやるとしたら、色々めんどくさそうだよなァ」
 作戦を立てるにしても、指導者が多ければそれだけ決定に時間がかかる可能性がある。船頭多くして船山にのぼる、だ。まして、組む相手は石頭で有名ときている。天人軍と戦うまえに同じ攘夷軍と戦うことにならなければいいが。
 そう銀時が思ったとき、桂の唇が動いた。
「なんとかなるさ。というか、なんとかする」
 桂の口元にはかすかな笑みが浮かんでいる。その笑みから自信と余裕が感じ取れた。
 二人揃って戦に身を投じて一年が経つ。その間に気がつけば桂は軍師となっていた。もともと桂は集団の上に立つ者として選ばれることが多かった。保有している能力の高さもあるが、どこかしら桂は他人を惹きつけるらしい。それに、桂は責任ある役目をまかされるとますます力を発揮する性格である。
 攘夷軍に加わってからの桂は、それまで桂を縛りつけていた桂家の当主であるという重い鎖から解放されたせいか、水を得た魚のように活き活きとしている。
 それは良いことだと思う。
 だが。
 なにかが胸に引っかかる。
 その小さな痛みをごまかすように、銀時は桂のほうに腕を伸ばす。
 しかし、桂は銀時の手をやんわりと振り払った。
「疲れてるから、今日はもう寝させてくれ」
 桂は立ちあがろうとする。
 その瞬間、銀時の胸のなかでなにかが暴れた。そして、それに突き動かされるように、桂をとらえ、布団へと押し倒す。
「銀時!」
 名を呼ばれたが無視し、抵抗する桂の身体の上に馬乗りになって押さえつける。
作品名:ささめゆき 作家名:hujio