二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ささめゆき

INDEX|39ページ/42ページ|

次のページ前のページ
 

 桂に告げる。
 あいしている、と。
 直後、桂の長い睫毛に縁取られた切れ長の眼が大きく開かれた。さらに、その唇がうっすらと開く。だが、どんな言葉も発せられないまま閉じられた。
 しばらくして。
「……どうしてこんな場所で言うんだ」
 桂は銀時を非難する。
 けれど、その語気は桂にしては弱かった。
 その後、桂は歩きだす。今度は銀時も歩き始める。
 二人とも無言で歩く。
 隣を歩く桂の横顔は厳しい。前方を睨んでいる。
 やがて、沈黙を破ったのは桂だった。
「……まあ、閨で言われるより信用できるが」
 ぶっきらぼうに告げた桂の顔には、ほんの少し、困っているような表情が浮かんでいた。
 それから、また無言になる。
 雪の降りしきるなかを進む。
 かなりの距離を黙々と歩いた。
 そして。
 ふたたび沈黙が破られた。
 破ったのは、やはり桂で。
「俺の答えだが」
 銀時は桂のほうを見る。
 しかし、桂は前方を睨んだままで銀時のほうを見ない。
作品名:ささめゆき 作家名:hujio