ささめゆき
桂に告げる。
あいしている、と。
直後、桂の長い睫毛に縁取られた切れ長の眼が大きく開かれた。さらに、その唇がうっすらと開く。だが、どんな言葉も発せられないまま閉じられた。
しばらくして。
「……どうしてこんな場所で言うんだ」
桂は銀時を非難する。
けれど、その語気は桂にしては弱かった。
その後、桂は歩きだす。今度は銀時も歩き始める。
二人とも無言で歩く。
隣を歩く桂の横顔は厳しい。前方を睨んでいる。
やがて、沈黙を破ったのは桂だった。
「……まあ、閨で言われるより信用できるが」
ぶっきらぼうに告げた桂の顔には、ほんの少し、困っているような表情が浮かんでいた。
それから、また無言になる。
雪の降りしきるなかを進む。
かなりの距離を黙々と歩いた。
そして。
ふたたび沈黙が破られた。
破ったのは、やはり桂で。
「俺の答えだが」
銀時は桂のほうを見る。
しかし、桂は前方を睨んだままで銀時のほうを見ない。