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ささめゆき

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 それは。
 その感情の名は。
 ふいに、すっかり遠くまで行ってしまった桂が立ち止まる。銀時のほうをふり返った。
 なかなか銀時が追いついてこないので気になったのだろう。
 銀時は少し笑った。
 そして、走る。
 かなり距離は空いてしまっていたけれど、あっという間に追いついた。
 桂の横に立つ。
 すると、桂は銀時の眼をじっと見た。
「遅い。すぐに追いつくのではなかったのか」
 文句を言い、歩きだす。
 しかし、銀時は立ち止まったままでいた。
「……なにをしている」
 桂は足を止め、不満そうな表情を銀時に向ける。
 だから、銀時は言う。
「答えが出たぞ」
「は?」
 桂は眉根を寄せる。なんのことだかさっぱりわからないといった表情をしていた。
 その桂の着物には雪がいくつも散っている。このままでは寒くなるばかりだ。
 銀時は意を決した。
 開けた口からはかすれた声しか出てこない。
 けれど。
 それでも。
作品名:ささめゆき 作家名:hujio