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Meaning of blue(英米)

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「突き抜けるような綺麗なスカイブルーですね」
「は?」

あまりにも唐突な日本の言葉に俺は思わず紳士にあるまじき情けない声を
漏らしてしまった。
だが日本はすぐに空気を読んで「アメリカさんの瞳の色です」と俺の情けない声を
指摘することなく、補足をいれてくれた。
これがアメリカだったら「なんだい今の声は?間抜けだねDDD」と笑い飛ばすに
違いない。
その点、日本はわかっている。
日本のような慎ましやかって言えばいいのか、あの謙虚な態度がアメリカに
半分、いやほんの少しでもあればいい。
そうすれば俺だけじゃなくて世界がほんの少し平和になるだろう。
ああでも、空気の読めるあいつなんて想像できないな。
やっぱ却下だ。
「あの、イギリスさん」
「ん、どうした日本」
「いえ、少しお疲れのようでしたので。今日の会議も大変でしたし」
「そうだったな。今日もあまり進まなかったしな」
日本の言葉に頷いて、俺は今日の会議のありさまを思い出した。
つってもほとんど変わりようがないがな。
いつものとおり、アメリカはハンバーガー食ってたし、クソ髭はうるせえし
中国は隙あらば怪しい食べ物をアメリカに売りつけようとするし
ロシアは何考えてるんだがわけわかんねえ。
その中でイタリアは泣き喚くは、ドイツはデケえ声で怒鳴る。
まともなのは俺と日本ぐらいなものだ。
その会議も一時間ほどオーバーしたものの何とか収拾をつけて終えることが出来た。
特に利益になることもなかったが、あのメンバーならしょうがねえことだ。
ハンバーガーを食って、ロクに議事録をまとめていなかったアメリカはドイツ監視の元
文句を言いながらまとめている。
最初は俺が監視役だったんだがそれでは作業が進まないって文句が出て
ドイツになったわけだ。
俺もそのままその場に居てもよかったんだが、ドイツと顔を合わせるのもやだし
アメリカを置いて、偶然会った日本と一息ついているわけだ。
最初は普通に会議の話をしていたんだが、途中からアメリカの話になって
あの日本の発言となった。
・・・・・・アメリカの瞳の色か。
以前の俺なら日本の言葉に一も二もなく頷いていたと思う。
あいつの瞳は突き抜けるような綺麗なスカイブルー。
晴れていることが多いニューヨークの雲一つない空を切り取って、そのまま瞳の色に
したような色だ。
間違っていない。
むしろ、的確な表現なんだろう。
けれど俺はあいつの瞳の色を空に例えない。
今のあいつの瞳の色はスカイブルーよりももっと相応しい色がある。
以前の俺はあいつの瞳の色を空に。
そして今の俺は・・・・・・

「俺は・・・・・・オーシャンブルーだな」
「オーシャンブルーですか・・・?」

ああ、と頷いて俺はアメリカの顔を思い浮かべる。
今の俺は何度考えてもあいつの瞳を空ではなく海に例えてしまう。
それは俺の心境が変わったせいであるが、その理由はいくら日本でも口にできない。
話すのならば、その本人アメリカしかない。
だからアメリカ、お前は俺の話をきちんと聞くべきだ。

という話をベッドの中でひっついているアメリカに話した。
半分眠りかけているアメリカはふうんとだけ返事をして、枕に顔を埋める。
聞いているのかと頬を摘まむと顔を上げたアメリカに「キミねえ」と酷く不機嫌な
声を出された。
俺はすごく疲れているんだぞ。キミの話は後で聞いてあげるから寝かせておくれよ。
とぽこぽこ怒りだす。
しょうがねえだろ。お前、すぐに寝たがるし。
まあそこまで疲れさせたのは俺だけども。
だがそんなことはおくびにも出さずに摘まんだ辺りの肉にキスをした。
眠そうにまどろんでいたアメリカは先ほどよりも目を開いて「口にも」と可愛く強請る。
こいつはどんなに可愛い顔でおねだりをしているかわかっちゃいないんだろう。
眠気にとろんと惚けた目を俺を映すためだけに微かに開けて、俺の腕を軽く引いて。
頬だけでは物足りなくて口にも欲しいと強請って。
マジで可愛すぎる。こいつは。
「イギリス」
なかなか仕掛けてこない俺に焦れて、少し不機嫌そうな表情を浮かべたアメリカは
先ほどよりも強く俺の腕を引っ張った。
俺は苦笑を浮かべて、軽く開いた口唇に重ね、舌をそっと差し入れる。
いつもは意識がぶっ飛ぶくらいすごいのをするのだが、さすがに今仕掛けたら
セックス一週間禁止だとか言いかねない。
いつもよりは手加減して弄っていた舌を引き抜くとさすがに寝汚いアメリカも
目が覚めたみたいだ。
顔を赤らめたアメリカは「キミってホントエロいよね」と言ってきた。
それには何も答えず、赤く染まったままの頬を撫でると口を尖らせて俺を睨んでくる。
そんな顔すら可愛いと思っちまう俺は重症なんだろうな。
思わず笑いながら頬を撫でていると「止めてくれないかい」と手を掴まれた。
その手にちゅっとキスを落とすとぎゃあと色気のない悲鳴が上がる。
作品名:Meaning of blue(英米) 作家名:ぽんたろう