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葎@ついったー
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die vier Jahreszeite 005

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「ほな,これは俺から。メリー・クリスマス。フランシス」

無地のクラフト紙の紙袋に家に転がってたリボンを括っただけの簡素な包みを受け取って,フランシスは「Merci.」と目元で笑った。

「開けてもいいか?」
「ん」

ごそごそと袋を開けるフランシスを横目に,俺は顔が勝手に笑い出すのを止めることができへんかった。

「おい,コレ」

云うなり俺を見たフランシスの顔を見て,思わず噴出す。

「プレゼントは実用的なもん,て思ってな」

駄目や。声が笑うてる。
そんな俺の横でフランシスは困った顔。

「えー,気に入らんかった?」
「いや,気に入るとか気に入らないとかじゃなくて…だな」
「それなんか暗いところで光るねんで?間違うたとこに突っ込まんで済むやろ?」
「……まぁ確かに」
「そっちのんも光るんやけど,またちょっと違っててな,星の模様が浮き出るねん。ええやろー?可愛いやろー?」
「……最中に鑑賞しろってか」
「他にもなあ,匂いつきに味つき。あとはなんやったっけなあ」
「……どっちかっていうとお兄さん,お前がどんな顔してこれ買ったのか知りたいわ」

複雑ぅな顔で俺から目を逸らしたフランシスは包みの口を閉じるとコートのポケットにそっと閉まった。

「でもま,せっかく貰ったんだからせいぜい活用させて貰おう」
「喜んでもらえて俺も嬉しいわ」
「しかしなんでギルベルトがマフラーでお兄さんはコンドームの山なわけ?お前の中で自分がどんな分類されてるか激しく気になるんだけど」
「ギルベルトにソレやったってしゃーないやろ?」
「まぁ…確かに。アイツどう見ても」
「童貞やしな」
「そういうお前はどうなのよ」
「俺?俺はどうやろなー。どう思う?」

ケーキの箱を潰さんように大事に抱えながら開いた手を空に翳す。
フランシスはじーっと俺の横顔を見た後に,ふぅ,とため息を吐いた。

「流石のお兄さんにも判別不能」
「なんや,フランシスの目も大したことないなー?」
「お前が掴めなさすぎるの。……んったく」

実家までバスで行くというフランシスとバス停前で別れて,俺はぶらぶらと歩き出した。
とりあえずは家に寄ってケーキ置いて,その後はどうしようか。

誰もおらん家に一人で居ると頭がおかしくなるような気がする。
いつもやったら煩く纏わりついてくるアイツが居るから気も紛れるんやけど。