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【ギアス】あめふりくまさん【ロイミレ】

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エリア11は湿気が多い地域です。顔と声帯が命(だと、自分で思っている)の職業柄、お肌も喉も乾燥しにくいのはとってもありがたいのだけれど、こうも年がら年中降られては気が滅入るというもの。

それなのに新しく傘を買い換えた途端、こうも雨の日が待ち遠しくなるなんて。
なんて現金なんだろうと思いながらもそんな自分が気に入っていたりする今日この頃。私ははなうた混じりに職場から帰宅するのだ。シトシトと響く雨音が何ともいえない情緒にあふれている。ああなんて幸せな雨の日なんでしょう!

「あーめあーめふーれふーれかーあさんがー、っと」

ついでだからと傘に合わせて買った雨靴が、ちいさな水たまりで音をならす。泥が跳ねる心配をする必要がないから雨靴は好き。
ちょっとだけ昔にかえったような気持ちになるのだ。ルルーシュを泥んこにして、ナナちゃんと笑って、メイドさんに洗濯してもらってー……。

「ピッチピッチちゃっぷちゃっぷ……………て、あら」

「おやー?ヒサシブリだねえ」






ケーキ屋さんの前を通り過ぎようとしたとき、見覚えのある淡い紫がひっかかった。そこには随分と久しぶりなメガネ。………もとい、元・婚約者のサイエンティスト。

「どうしたの、こんな所で」
「どうしたもこうしたも、キミが悪いんだよ」
「は?」

伯爵はコホンとひとつ咳払いすると、いつもの不思議な笑みを浮かべた。
「だって、最近持ってきてくれないしさあ」
そう言ってちょっと右手を上げてみせると、白くて大きめの包みが彼の細い指にぶら下がっていた。
「……好きですね、プリン」
彼は、そりゃあねとでも言うかのように頷いた。ここのケーキ屋さんはプリンが美味しいことでちょっと有名。



「……でもねえ、」
「そりゃあ今日は雨の確率80パーセントですから」
見たところ彼は右手に持った袋の他は丸腰同然だった。お財布は反対がわのポケットにでも入っているのだろうか。
「どうやってココまで来たんですか。まさかお昼から夕方の今まで、ずーっと雨宿りしていた訳でもないでしょう?」
雨のなか来たのなら同じ方法で帰れるはず。
「うーん、タクシーで来たんだけどねえ」
「………。」



つまりはこうだ。