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【DRRR】はろー*はろー*はろうぃん 【帝人総受け】

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静雄はあー、とか、うーんとか言いながら悩み始める。
迷うことなく降ろして欲しい、頭にしがみついて俯き、羞恥心と周囲の視線に耐える帝人。
そこに、能天気、としか言えないトムの声がかかる。

「あ、そのカッコ恥ずかしいんだったらコレ羽織ってみたら?」
「それいいかも知んないっスね」

そう言ってわずかに屈む静雄から、チャンスとばかりに飛び降りようとする。
しかし、その前に腕が伸びてきてがっしりと腰を掴んだ。

「おおお、降ろして下さいぃぃぃ」
「まあまあ、ちょっとだけ、な?」

そう言ってトムが差し出し、帝人の首にくくりつけたのは、彼が先ほどまで身につけていたマントだった。脱いだまま着せられたので、真っ赤な生地が表になって体を覆う。
そういう問題じゃないし、むしろ赤で余計に目立つんじゃ…。
帝人は半分死んだような目で遠くを見つめた。

「あ、なかなかいいですね」
「うん、これは俺も当たりと思う」
「帝人くん、こっち向いてね、ちょっと写真撮るから」

変態がこちらに携帯のカメラを向けているのはもうどうでもいいとして、なぜ着せたトムさんはおろか、味方だったはずの幼馴染まで同意してるんだろう。
少し遠くにやった視線の先で、杏里がわたわたと黒いライダースーツの胸元から携帯を取り出しているのが見えた。
写メ撮るのはもういい。けど、携帯をどこから取り出したのかがすごく気になるところだ。

もう全てを諦める境地に入り始めた帝人は気付かなかった。
赤いマントは彼には長すぎたため、少しだけはみ出た足元と腕を残して、あとはタラリと静雄の肩から垂れ下がっている状態になっている。
それが、見ようによっては赤いロングドレスのスカートにも見えた。ベルベット生地は陽の光を鈍く反射しててらてらと光る。
しかしそれよりも、どちらかといえば彼は今、赤の女王、ハートのクイーン、不思議の国のアリスに出てくる女王のように見えた。
番犬のように従える最強の男の肩に乗り、遠い目をして背筋を伸ばす様は、まさに女王の風体。
いや、彼は男なのだから王というべきなのだが。
そういう視点で見れば、池袋最強の男と新宿最凶の男を従えた彼は、魔王と呼べる地位にいるように見えた。

「……帝人、助けたほうがいいのか?」
「…正臣にそれが出来るんならそうして欲しいんだけど…」
「不甲斐無い友人で悪い」
「……だよねー」

あまりに全てを達観したような表情に幼馴染が声をかけるものの、このポージングのまま軽く戦争をやってのける男から解放できるはずもなく。
結局、その状態のままで池袋を闊歩する刑に晒された帝人は、心の奥で誓った。

もう2度と、ハロウィンはしない。
この時期になったら、学校をサボってでも実家に帰るか高飛びするかして逃げよう。
そして、帰宅したら自分の写真の掲載されるであろうネットニュースや掲示板などを片っ端から押さえて削除して回ろう。






「シズちゃん!!そろそろ交代してよ!!俺も女王帝人様にかしずいて踏まれたい!!」
「ああ!?」
「……臨也さんていつ死ぬんですか?」
「それよりマントの上からでいいからこの翼つけてみてよ!!」
「それはいいかもな」
「……訂正します。2人ともいつになったら僕の前から消えてくれるんですか?」