臨帝短文集
『 我が恋は清き恨みとなりにけり 』
ついにこの想いが成就したときに私が感じたのは、まるで復讐が成ったかのようなほの暗い満足感でした。ざまあみろ、そうだろうそうだろう、お前には私しかいないとようやく理解したか。私を愛してしまったようだとはにかんで告げる恋人を、まだ本当には何も知らないその人の全てを理解し、この手で殺めでもしたかのような達成感。知らず知らずのうちに煮詰まった感情というのはえてして明るくない方向に向けて発達していくものなのでしょうか。とにかく私の清らなる恋心は貴方を得て変わってしまった。一秒前までは無邪気に貴方を求める私でした。今からはそうではない。もう貴方は私のもの、私の所有、私の一部です。