波乱がくぽ 万丈KAITO
「・・・・っ・・・・すまない・・・・カイト・・・レンにまで迷惑をかけてしまって・・・・。」
「いや、僕たちは別にいいんだが・・・大丈夫なのか?」
「先程よりはだいぶましだ。礼を言う・・・。醜態をさらしたな・・・。」
そこに、食欲をそそる香りを漂わせたレンが入ってきた。その手にはほくほくと湯気を立てる小さな鍋と、朝カイトが食べ損ねたアイス、そしてレンの好物でもあるバナナがのった盆が装備されていた。
「がっくん、目が覚めたんだ。大丈夫?」
「ああ、おかげでずいぶん楽になった・・・。」
「ミク姉に話したらお粥作ってくれたんだ。食べる?カイト兄ははい、ハーゲンダッツ。」
「ありがとうレン。世話をかけたね。そろそろリンのところに行ってあげなよ。」
「わかった。」
レンはバナナを口に入れると、そのまま再びドアを開け、出ていった。カイトは少々罪悪感を感じながらも、その背中を目でおい、見えなくなったのを確認すると、再び視線を目の前の紫色に戻した。
「・・・・食欲は?食べれそうかい?」
「せっかくミク殿が作ってくれたのだ・・・ありがたく頂く・・・。」
作品名:波乱がくぽ 万丈KAITO 作家名:魂揺