僕のmonster
部屋から聞こえてきた破壊音に、家主とその恋人が慌てて入ってきた。
彼らの目に映ったのは、ソファを持ち上げては投げる静雄と、それをひょいひょいとかわす帝人の姿だった。
((え、何このカオス空間))
「てめぇぇ!ふざけんじゃねぇぞ!!俺すっげぇ待ったっつっただろうがよ!なのに何で先延ばしするんだよ!!空気読め!!!」
「ええー、だって連れていくってなると僕の眷属になるってことでしょ?そしたら歳取らずにそのまんまの姿で居るんですよ?今の静雄さんも好みの顔ですけど、僕としてはもうちょっと歳取ってたほうが」
「てめぇの好みなんざ知るかぁぁぁぁ!!俺は今!すぐ!あんたのつがいになりてぇんだよ!!」
「つがいって中々古い言葉知ってますね、静雄さん。まあでも、きっと渋くてカッコよくなりますって!だからもうちょっと我慢してくれません?」
「っ、~~~~ほ、絆されねぇからなぁぁ!!!」
【「・・・・・・・・・・・・・・」】
「・・・・ねえ、セルティ」
【何だ、新羅】
「これは丸く収まったってことでいいんだよね?」
【・・・・・・・・・・いいんじゃないか?帝人も楽しそうだし】
友人たちの門出はまだまだ先のようだと、家主ふたりは仲良くため息を吐いた。
(くそっ、絶対逃がさねぇからな!)
(約束は守りますよ。今すぐじゃないですけどね!)