my precious
自分は、「翔」は、「優」を守るための存在だ。そのためにこそ、こうして、優の中に在る。
優の中に、優と同じ肉体を共有するからこそ、翔は間違いなく優を守ることが出来るのだと、ちゃんとわかっている。
それでも、翔は思うのだ。
震えながら、それでも翔の中に逃げ込んだままではいない優に、思うのだ。
もし。自分が優とは違う肉体を持っていたのなら。
何もない場所で怯えさせることなく、その身体でもって包んで、優を守ってやれるのに、と。
(それでも。優。お前は、俺が守ってやる)
作品名:my precious 作家名:物体もじ。