アイツとダンスを
菊と喧嘩をして…何日たっただろうか?
あれからすぐ、飛び出して…自分の家から離れた友達(?)に世話になっている。
アイツと違って優しいから…俺に怒ったりなんかしない。
俺の話を聞いてくれるし…メイプルシロップはおいしいし…
ここは自分にとって、過ごしやすい場所なのかもしれないと思い始めてすら居る。
でも…そんな中でも思い出すのはあいつのことで…
ここに来たばかりの頃はアイツを思い出しても、怒りでいっぱいだった。
そんな想いも日が経つにつれて、変化してきた。
アイツが今、何をしているだとか…少しくらい俺のことを心配してるじゃないかとか…
…もう、俺に謝りたいと思っているんじゃないかとか…
期待してしまったりしたりして…。
でも、自分から帰って謝るなんて、悔しいからまだ帰らないんだぜ!
そんなことを思っていたある日。
世話になっている友達に『仮面舞踏会』に誘われた。
どうやら、フランシスさん主催でハロウィンの夜に行うらしい。
そこには彼をはじめ様々な国が多種多様な仮装をして集まるようだ。
楽しそうなことは全部俺が起源のはずなんだぜ!
俺は二つ返事で参加することを決めた。
もしかしたら…アイツに会えるかも…なんて淡い期待が…気持ちの下のほうに…あったのかも知れない。