二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

いつまでも、君が怖い理由

INDEX|3ページ/14ページ|

次のページ前のページ
 

3


「耳と、尻尾…っすか?」

「うん。学校の皆も、リボーンも見えないみたいなんだ。俺だけに見える、幻覚なのかもしれないんだけど…はは、なんか俺、ヤバい人みたいだ」

「そんな事ありませんよ!」

「え?」

「十代目に見えるなら、それは事実です。どうせシャマルのヤローが変な事やったんじゃないっすかね?」

それらしい理由に、俺はパチリと大きく目を見開いた。
成る程、それなら俺にしか見えないという事にも納得がいく。

「そ、そっか…。うん、ありえるかも」

「十代目にウィルス感染なんて許せません。俺、ちょっと果たしてきますね!」

ニカっと笑った獄寺くん。そのまま走り去って行こうとする後ろ姿を、慌てて掴んだ。

「じゅ、十代目?」

「あの…。その…さ、君の耳、すっごく触り心地が良いんだ。だから、その…もうちょっと、触らせて欲しいんだけど…」

「っ…!!」

獄寺くんの尻尾がピタリと動きを止める。
恐る恐る掴んでいたカーディガンを離して、顔を見上げる。

そこには、真っ赤な顔の獄寺くんが顔を抑えながら立っていた。

「ご、獄寺くん…?」

「―――す、すいません。その、十代目さえ宜しければ…」

「うん?」

「誰も居ない所がいいんですが…」

ひそめた声の理由も、それが嬉しいと思った気持ちも――全ては、まだ理解できないまま。


繋いだ手だけが、今の俺たちの理由だった。

作品名:いつまでも、君が怖い理由 作家名:サキ