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【腐向け】綱吉日記【リボーン】

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綱吉日記



○月○日

 今日から日記を付けてみる事にした。
 俺は、沢田綱吉。……って、自分しか読まない日記に名前を書くなんて。やっぱり俺はあれから十年経った今でもダメツナなのかな?
 あの日。リボーンが俺の家庭教師になってから、十余年が経った。今ではすっかりイタリアンマフィアボンゴレの十代目として君臨とかしちゃってるし。
 さて、そんな俺が何故こんな日記を書くことにしたのかというと……それは俺の周りにいる皆の観察日記をつけようとおもったからなんだけど。
 だって、十余年前からそうだけど、俺の周りっておかしな人ばっかりなんだもん!
 まずは、リボーン!
 なんといっても、おかしすぎる!
 初めて会ったとき、あいつ自分の年をいくつだと言った!? 確か、一歳とか言ってなかったか?
 ってことは、今は十一、二歳だよな? なのに、俺より背が高くて男前って、おかしいよ!
 そんなリボーンだけど、最近少し様子が変なんだ。
 なんか、その……守護者の一人である山本に対して、視線が熱い。
 山本も山本で、なんだかリボーンと目が合うと顔が赤くなったり、どこか照れた感じにはにかんだり。
 あ、山本って言うのは中学からの腐れ縁で、俺ことボンゴレ十代目の守護者なんだ。担当は『雨』!
 ……雨といえば、もう一人。
 ボンゴレが誇る暗殺部隊のヴァリアー。そこにも、わけあって守護者がいるんだけど。
 ヴァリアーの『雨』の守護者はスクアーロっていうんだけど。
 彼もなんだかおかしい!
 俺たちが中学生だった時から長かった髪は、今でも長い……っていうか、以前よりも長くなって、前髪まで長くなってる。
 そんな彼は、山本に対してだけじゃなくて、他にも俺の先輩に当たる、同盟マフィアキャッバローネのボス、ディーノさんや、ヴァリアーのボス、ザンザスに対しても様子がおかしい。
 最近気づいたことなんだけど、ディーノさんを見るときは、その目がどこか寂しそうで。ザンザスに対しては、その……憧れ半分、熱さ半分。そして、山本に対しては、剣士の先輩としての優しさ半分、あとは……主に山本のお尻に視線がいっているような気がしてならない。
 この間だって守護者全員が集まって会合をしたんだけど、スクアーロの視線は背を向けている山本のお尻に。そして、一言。
『……安産型だな』
 なに安産型って!?
 思わず叫びそうになったよ!
 まぁ、その後ザンザスに殴られて、髪を引っ張られて、無理矢理車に乗せられて帰っていっちゃったけど。
 その時のザンザスの顔……。今までで一番恐かったかも。
 ……とりあえず、山本。
 一言、言わせて?

 逃げて!!

 そんな山本を取り巻く周りもおかしいんだけど、俺の周りも負けず劣らずな感じがする。
 ふぅ。
 今現在進行形で、数人分の視線が背中に突き刺さってるんだよな。
 おかしいな。
 今、俺は自室で一人のはずなんだけどな。窓だって閉めてるし、カーテンだって。勿論、入り口には厳重な鍵をしめてるし。
 あ、俺の周りの一部を書いてるうちにページがなくなってきた。
 今日はそろそろ寝て、明日続きを書くことにするよ。
 どうせ、俺のことだから長続きしないと思って薄いノートを選んで、ある意味正解だったかも。
 それじゃ、おやすみなさい。


○月×日

 なにアレ!?
 って、最初から叫んでみる。
 だって、変だよ! 異常だよ!
 今日の獄寺くんといつのまに任務から戻ってきたのか知らない骸のあの言い争いってなに!?
 ってか、骸! 戻ってきたんなら報告くらい済ませろ! 書類処理が遅れて怒られるのは俺なんだからな!?
 リボーンが恐いんだよ!!
 ま、まぁ、それは置いといて……。
 何で獄寺くんと骸は俺の下着の色・柄をこの一か月分知ってるんだよ!? しかも、暗記!? なんか、手持ち全て知られてたし。
 事の起こりは、何気ないリボーンの一言。
 俺が書類処理に手間取っていると、
『そんなんだから、まだお子ちゃまパンツから卒業できないんだよ』
 なんて、俺をダメツナと呼んで見下すリボーンらしい一言。
 お子ちゃまパンツって……。俺、中学の頃には、とっくにブリーフ卒業してるよ?
 それは置いといて。
 そこで、な~ん~で、食いつくかな獄寺くん。
『何を言ってるんですか、リボーンさん! 十代目は、もう立派にトランクスを履きこなしていらっしゃいますよ! しかも、今日なんて奥さんである笹川妹と外食するからか、勝負パンツの赤! 柄は燃える炎です!!』
 な・ん・で!! 知ってるんだぁ!
『……そんなの、勝負パンツじゃねーぞ。ツナ』
 嗚呼! あの時のリボーンの目が冷たくて、忘れられない。
『武を見習えよ』
 とかなんとか、なんでそこで山本が出てくるのかわかんないけど、それだけ言ってリボーンは出て行った。
 ……ぇ? リボーンは、山本の勝負パンツを知ってるの?
 なんでぇ!?
 俺が混乱していると、何処から現れたのか。骸が俺の後ろに立っていた。
『ダメですよ、綱吉くん。男たるもの、勝負パンツは黒のビキニです』
 なんて、いらない忠告。
 持ってないよ!
 って叫んだら、二人して、
『知ってますよ』
何、それ。
 ってか、いつの間に戻ってきたの? 骸。
 そこから始まった二人の俺の勝負パンツはどれか、という何とも情けない討論。その中で獄寺くんは、
『三日前に履かれていた白地に青の波の柄なんて、漢! って感じでいいと思いますよ!』
対して骸。
『何を言っているのですか? ここはやはり、黒の布地に紫で髑髏のイラストを刺繍していた一週間前の下着こそ、彼の持ちうる下着の中で最も勝負パンツに近いものです』
 ……俺のプライバシーはどこへ?
 それから延々と三時間。俺の下着を全て言い尽くすまで二人の討論は止まらなかった。
 ……も、いいから。骸、お前はさっさと報告書置いて出て行け。獄寺くんも、さっさと任務に行ってきて。
 思わずそう、呟いたけど。……二人の耳には届いていなかったようだ。
 ……今日は、二人の「何故俺の下着を知り尽くしているのか?」ってことも気になったけど、それより俺はリボーンの、
『武を見習え』
発言が引っかかる。
 ……あれ? もしかして、あの二人って……?
 え? え? えぇ!?


○月△日

 今日は、長期任務から久々に雲雀さんが戻ってきた。
 相変わらず、淡々とした報告。それでも、まともに報告してくれるからありがたい。
 報告が終わって出て行こうとする雲雀さんがドアノブに手を差し伸べた時、事件は起こった。
『綱吉くん。今日もかわいらし……』
 満面の笑みを浮かべた骸が、今日は珍しくドアから入ってきたのだ。
 なんでこんな時にだけ、礼儀正しくドアからなんだ!
 骸と雲雀さん……。この二人は、出合わせてはいけない守護者ランキングぶっちぎりの一位だ! (ランキングふう太のランキングより)
 案の定、俺の執務室の空気が凍った。
『……何故、あなたが僕の綱吉くんの部屋から出てくるのですか?』
 ここは執務室だよ、骸。用がある人は誰でも入ってこれるんだよ。
『……誰?』
 この雲雀さんの一言で、骸の頭の線が一本。プツリと切れた。