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最高無敵で最愛のお姉さま!@11/27追加

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愛を教えてくれた人


ちったい臨也と帝人お姉さんのほのぼの話。







初めて出会ったときからずっと臨也の世界の中心は義理の姉である帝人だ。
後妻で折原家に入った帝人の実の母親もそれなりに好きだったが、帝人以上ではなかった。
その手に触れられたり、その声で呼ばれたりするだけで、臨也はもう何もかも捨てられるような気がしていた。
「姉さん、姉さん」
「なぁに、臨也さん」
姉は臨也を出会ったときからずっと「さん」付けで呼ぶ。
そして臨也と二つしか違わないのに、まるで大人のように敬語で話す。
それは臨也に対してだけじゃなく、他の誰にも帝人は丁寧だ。
たまに辛辣だが。
唯一くだけるのが実の母親ぐらいで。
それが臨也にはとても不満なのだけれども、我儘を言って帝人を困らせたくは無かったし、嫌われたくはない。
遠慮するということを母親の胎内に置き忘れてきた臨也にそうさせるのだから、帝人は臨也の裏を知る大人たちに一目置かれていたりする。知らぬは当人だけ。
「姉さん」
飽きもせず彼女の名を呼ぶ。
帝人はそんな義弟に苦笑しながらも、けして無視せず律儀に付き合っている。
帝人とて新しくできた家族が愛おしくてたまらないのだ。
「臨也君は本当に帝人のことが好きなのねぇ」
実の母親に微笑ましくそう言われ、帝人は面映ゆさと嬉しさを織り交ぜたくすぐったい気持ちにさせられる。
臨也は臨也で、まるで褒められたかのように機嫌良く笑った。
「俺の一番は全部姉さんだもん」
「あらあら、熱烈ね。帝人、貴方将来結婚できないかもよ」
「・・・母さん」
「結婚なんかさせないよ。姉さんはずっと俺といっしょにいるんだから」
「ずっとって・・・ずっとですか?」
「ずーっとだよ」
それは無理なんじゃないかなぁと思うが口にはしない。
一度拗ねると中々機嫌を直してくれないのだ、この義弟は。
「それじゃあ、僕が本当に結婚できなかったら、臨也さんもらってくれますか?」
ちょっとした出来ごころでそう言ったら、輝くような笑顔が返ってきた。
こんな時、この義弟は本当にきれいな顔立ちをしていると思い知らされる。
「結婚できなくても姉さんは俺がもらうよ!」
だから安心してお嫁にきて!と高々に宣言され、帝人はどうしたらいいかわからず首を傾げたが、やがて仕方がないなと笑みを零す。
「その時は幸せにしてくださいね」
「うん!」
この光景を目の当たりにしていた両親は後に「臨也を人間らしくするのは帝人だけだ」と周囲に漏らしたらしい。
そんなこと露知らず、帝人は内心(臨也さんも思春期きたら姉離れするんだろうなぁ。ちょっとさびしいけど仕方ないか)とやはり大人びたことを思い、「姉さん姉さん」と慕ってくる義弟に笑みを返していた。
そんな帝人は思いもしなかった。
これから十数年、義弟からのラブコールは途切れるどころかますます深く激しくなってくることを。
だって臨也の世界の中心は常に帝人なのだから。
「姉さんラブ!」
「はいはいわかりましたから、それ人前では言わないでくださいね」
折原姉弟は今日も仲良しです。