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不幸なしあわせもの

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最近よく、先輩たちに「柳を(蓮二を)大事にしろ」と睨まれる。
柳先輩は、気色の悪い言いかたをすれば三年の、特に部長と副部長のアイドルだった。
俺のものになってからもそれは変わらないらしい。
大事で大事で大好きだった柳先輩が、俺なんかとつきあうことになったのがみんな気に食わないらしく、
けれど大っぴらに俺を攻撃して柳先輩に嫌われるのもイヤらしく表には出さず陰湿に俺を嫌いはじめた。
正直うざったくてたまらない。
俺にやりたくないならさっさと自分のものにしておけばよかったし、もっと言えば今からでもそうすればいいのだ。
柳先輩が頭をさげてどうしてもというから付きあうことにした俺にはいい迷惑でしかない。

「柳先輩、俺あんたのこと好きだけどいろいろみんながうざいし、別れまショ」
「赤也?」
いい迷惑だ。いい迷惑だ。いい迷惑だ。
俺のことを好きだなんていい迷惑だ。俺はあんたが好きだけど、それとこれとは違うだろ?
「何を言って…誰かに何か言われたのか?俺がお前を好きなんだ、人の言うことなんか気にするな」
「いや、だからそういうことじゃなくて。柳先輩とつきあってると俺居心地悪いんですもん。普通のやつらじゃ弱くて相手になんねーし、レギュラーにまで仲間はずれにされたらやってけねーっつーか」
「赤也」
「痛ェ、腕離してくださいよ。あんたといると俺が迷惑すんすよ!あんたみんなに好かれてるんだから何も相手俺じゃなくてもいいでしょ!?」
ああ嫌だ。
なんでこんな思いまでしてる俺がみんなから嫌われなきゃなんないんだ。
「好きだ、赤也、頼む、そんなことを言わないでくれ、考えなおしてくれ、赤也、赤也」
「うざいっつってんだよ!」
「……ッ!!」
柳先輩を殴った拳はひどく重い。
柳先輩は殴られた頬をおさえもせずに俺の腕をつかみ服をつかみすがりついてくる。
「うぜえんだよ!あんた、わかってたんだろ!」
「赤也、頼むっ…」
「楽しんでんじゃねえよ!」
わかってたくせに。わかってるくせに。
自分がみんなに好かれていることも、そんな自分が俺を選ぶことで何が起こるかも。
俺を孤立させるために俺を好きだと言った。
俺がみんなから嫌われて、居場所がなくなるのを喜んだ。
独占欲なんてものじゃない。まるで狂気だ。
作品名:不幸なしあわせもの 作家名:もりなが