つつがなくありますように
前略
いかがお過ごしでしょうか。つつがなくお仕事に励んでいますか。あまり励まれると私の心臓が持ちませんが。何度でも申します、向いていません。絶対に。
こちらは上手くやっています。ただ、やっぱり凝った罠はなかなか仕掛けさせてもらえません。
霜降のころに参りますので、またお土産話でもお聞かせください・・・・・・
「土産話でも、ね」
ある町の新人髪結いが、旧友の文(ふみ)に顔を綻ばせる。
「あの子くらいだ、俺が客から聞いた噂話をタダで持って帰る忍者なんて」
商売上がったりだなぁ、と嬉しそうにこぼしながら、小さなめもにしゅっと書き加える。秋の終わりに大切な訪ね人あり、と。
いかがお過ごしでしょうか。つつがなくお仕事に励んでいますか。あまり励まれると私の心臓が持ちませんが。何度でも申します、向いていません。絶対に。
こちらは上手くやっています。ただ、やっぱり凝った罠はなかなか仕掛けさせてもらえません。
霜降のころに参りますので、またお土産話でもお聞かせください・・・・・・
「土産話でも、ね」
ある町の新人髪結いが、旧友の文(ふみ)に顔を綻ばせる。
「あの子くらいだ、俺が客から聞いた噂話をタダで持って帰る忍者なんて」
商売上がったりだなぁ、と嬉しそうにこぼしながら、小さなめもにしゅっと書き加える。秋の終わりに大切な訪ね人あり、と。
作品名:つつがなくありますように 作家名:たつき紗斗