半端な覚悟で愛せはしない
まもるという字を辞書でひいたことがある。守る、護る。四番目の項目に、みまもると書いてあった。欲しかった答えは得られなかったような、得られたような、そんな気持ちで辞書を閉じた。俺は悟天を守る、俺が守らなくては、そんな気持ちが心のどこかにある。意識しているわけでもなく、ただ頭の片隅に存在しているのだ。悟天のことを好きだと思うし、大切な存在だとも思う。けれど、守るというくらい大げさな気持ちはどこから来ているのだろう。最近、そのことに疑問を感じていた。
まして今、自分が勉強をしている後ろでソファを占領しテレビを見ている親友の姿を見ると、尚の事分からなくなる。いい加減注意をしてやるのも優しさだろうと、俺は勉強机に座ったままで声をかける。
「おい、いつまでテレビ見てるんだよ。することないなら帰れ。」
「やだ。これが終わるまで。」
そう言ってもう三時間になるのだが。そう思いながら口には出さず、俺は頬杖をついてため息もつく。別に悟天がうちに来る事は構わないのだけれど、俺は今年、仮にも受験生なのだ。いくら成績が良いとはいえ嫌でも勉強はしなくてはならない。その事に少し気を遣ってもらいたい。
「暇ならたまには悟空さんの修行にでも付き合ってやれよ。」
「必要ないよ。パンちゃんがいるし、それにこれ以上鍛えたところで僕は武道家になりたいわけでもないし。」
悟天は肩をすくめてそう答えると、またテレビに見入ってしまう。そうだ、こいつは強いのだ。俺は悟天の返事を聞いて、そんな当たり前のことを思い出す。最近は組み手をすることもなくなり、日常生活でその力を発揮する場もないので忘れていたけれど、悟天は確かに力がある。学校でも俺を除けば敵うやつなんていないだろうし、街で悪人に絡まれたところでかすり傷すら負わないだろう。そんな当然のことをわかりきっているというのに、どうして俺はこいつを守らなくてはと思っていたのだろうか。その日、俺の中にあった些細な疑問は大きな疑問へと変わり、悟天は結局夕方までテレビを満喫して帰って行った。
まして今、自分が勉強をしている後ろでソファを占領しテレビを見ている親友の姿を見ると、尚の事分からなくなる。いい加減注意をしてやるのも優しさだろうと、俺は勉強机に座ったままで声をかける。
「おい、いつまでテレビ見てるんだよ。することないなら帰れ。」
「やだ。これが終わるまで。」
そう言ってもう三時間になるのだが。そう思いながら口には出さず、俺は頬杖をついてため息もつく。別に悟天がうちに来る事は構わないのだけれど、俺は今年、仮にも受験生なのだ。いくら成績が良いとはいえ嫌でも勉強はしなくてはならない。その事に少し気を遣ってもらいたい。
「暇ならたまには悟空さんの修行にでも付き合ってやれよ。」
「必要ないよ。パンちゃんがいるし、それにこれ以上鍛えたところで僕は武道家になりたいわけでもないし。」
悟天は肩をすくめてそう答えると、またテレビに見入ってしまう。そうだ、こいつは強いのだ。俺は悟天の返事を聞いて、そんな当たり前のことを思い出す。最近は組み手をすることもなくなり、日常生活でその力を発揮する場もないので忘れていたけれど、悟天は確かに力がある。学校でも俺を除けば敵うやつなんていないだろうし、街で悪人に絡まれたところでかすり傷すら負わないだろう。そんな当然のことをわかりきっているというのに、どうして俺はこいつを守らなくてはと思っていたのだろうか。その日、俺の中にあった些細な疑問は大きな疑問へと変わり、悟天は結局夕方までテレビを満喫して帰って行った。
作品名:半端な覚悟で愛せはしない 作家名:サキ