希望と光のSS4つ
恋なんかじゃないのかもしれない。
それは何度も何度も考えたことだったけれど、はっきりと結論が出せないまま私の心の中に居座っている疑念。
いつか誰かが聞くだろう。どうして大輔くんを選ばなかったのかと。そのとき私は、答えられるのだろうか。彼でなく彼を選んだ理由を、正確に答えられるだろうか? その理由って、いったいどこに?
たまに、本当にごくたまに、自分がとてもずるいことをしているような気持ちになります。タケルくんが笑うとほっとするけど同時に後ろめたくなるんです。
やさしいから、すき。でも、やさしいから、こわい。
「ヒカリちゃん」
彼の呼びかけに私はぱっと顔を上げた。彼は階段の五段程先から私を見下ろしている。
「どうしたの?」
不思議そうに私を覗いている。私は、笑ってみせる。
「なんでもないよ」
「そう?」
「うん」
つられるようにタケルくんが笑った。そして、優雅とさえ言える仕草で私へ手を差し伸べる。
「お手をどうぞ」
王子様がお姫様にするように、というよりはただのお姫様ごっことして、私を待つその手は今にも笑い出しそうだ。
私は冗談を素直に受け取って、お姫様になる。手と手を重ねる。彼の笑みは深くなる。
「すきだよ、ヒカリちゃん」
「私も、タケルくんがすき」
私の手を引いて階段を上がり始めた王子様の表情は晴れやかでした。
顔色を窺おうとする自分が、嫌いでした。