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休日は。

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休日は。








うちはイタチ、齢19歳。
木の葉の里のエリート道を進む上忍である。
何をしても全て完璧にこなし、くノ一からは眉目秀麗な美男子として一目置かれ、あまつさえ裏ではファンクラブ類いのものまであるほどの人気を誇っていた。
が、一族の中では親ばかを匹敵するぐらい溺愛し、弟ばかとして裏では囁かれているほど弟には甘かった。
弟の名は、サスケ。齢4歳になったばかりだった。




「にいさま。」
「サスケー。どうした?」
俺の元に駆け寄ってくる小さい弟サスケに、目線を合わせるためしゃがみこみ微笑みかけた。
息を切らし駆け寄ってきたサスケは頬を紅潮させていた。
「いまね、ははさまにきいたの。きょうはずっとおうちにいるんでしょ」
「ああ、いるよ。サスケ、一緒に散歩でもしようか?」
「ほんとう!! にいさまダイスキ」
笑顔いっぱい顔に浮かべサスケは俺に抱きついた。

(くう~・・・・可愛すぎる。俺はサスケがいる限りは幸せだ!)

イタチの頭では幸せの鐘が響き渡っていた。表の表情は笑っているだけだが、内側では嬉しすぎて涙を流していたのは言うまでもない。
おもいっきりサスケを抱き締め、頭に顔を埋めた。
サスケからは少し甘い香の匂いがしていた。母の傍にずっと一緒にいたせいか、よく母から香る匂いがサスケからしていた。
俺はほぼ父に似て、サスケはほぼ母の方に似ていた。そのためか、父は母に溺愛していたのと15年ぶりにできた子供ということもあり、サスケはとても可愛がられていた。
イタチと、父親はよくサスケの取り合いをしていた。
その姿を、縁側で母親とサスケは二人で和みながら、その様子を眺めるのは日々日常的だった。


「ん・・・にい・・しゃま・・・くるしっ・・・」
「あっ、すまんすまん。じゃあお詫びに今日は山にでも行くか?」
「わーい、いくー」
直ぐに苦しがっているサスケを放した。そしてその後、俺の周りをはしゃぎながら両手を上に上げて喜んでいた。
その姿を視界に納めながら、サスケには気付かれないように遠くの柱の影から見つめている父に『勝った』という笑みを浮かべた。
「にいさま、はやくいこ」
サスケは俺の服を引っ張りながら強請っていた。
上目づかいで見てくるから、また抱き締めたい衝動に駆られたが、これ以上時間が過ぎるとサスケ機嫌が悪くなって、父か母の元に行ってしまいそうだから、ゆっくり立ちサスケに手を差し伸べた。
「ああ、それじゃあ行こうか」
「うん」
サスケは満面な笑顔で応え、俺の手を小さい指で握った。

作品名:休日は。 作家名:雨水旭