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【DRRR】ryはろウィン【戦争サンド+@】

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》帝人総受け



『犯罪だろWinner気取ってんじゃねーよryはろウィン』



「いぃぃぃぃやぁぁぁぁ、でぇぇぇぇぇすぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
「まあまあ、とりあえず止まりなよーーーっ!!」

悲鳴の後に続く叫び声はいかにも楽しそうで、犯罪臭がした。

「待ちやがれーーーっ、こんんっの、クソ、ノミ虫があああああっ!!」

地響きのような低い怒声がその後ろをまた追いかけた。
その声が聞こえたかと思えば、ど派手な破壊音が響く。空を見上げれば、自販機がまたとても綺麗な弧を描いて飛んでいた。
すでにこれは池袋の名物だ。
もうそろそろ24時間戦争饅頭とか、24時間戦争サンドイッチとか、池袋バナナが三色になって売り出されるとか、そのぐらいの認識があってもおかしくなさそうである。
歪んだ標識や、自販機のミニチュアの携帯ストラップが飛ぶように売れているのだから、売り出したらそれはそれである程度の売り上げが見込めそうなのだ。それだけ広い心を持つに至った池袋の民衆の寛大さに、彼らはもう少し感謝すべきだ。

「いぃぃぃぃぃぃ、ざぁぁぁぁぁぁぁ、やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「ちょっとシズちゃん邪魔しないでよ!!」

前日に引っこ抜かれた道路標識を植え直していた工事業者の横を、進入禁止の標識が振り回されて大きく飛んでいった。
ああ、今日も晴れ時々標識の予報が大当たり。
工事業者は明日も仕事にあぶれることはないらしい。半ば諦めの境地に達した表情で、池袋の真ん中を突っ切っていく3人を見送っている。

「今日は何だってんだ」

やはり諦めきった声で、門田がその光景を見守っていた。
先ほどまで乗っていたバンは、運転手がダラーズの掲示板を見て、「ルリちゃんのハロウィン特別ゲリラライヴがある、だと!?」などと、叫んで消えてしまった。
どいつもこいつも頭が沸いている。
自分の後ろを歩く、コスプレイヤー2人もそうだ。

「お前ら、もうちょっと離れて歩いてくれないか?」
「何言ってんスか門田さん!今日はハロウィンなんスから、別に恥ずかしいことないんス!たとえ世を憚る黒の騎士団のリーダー、ゼロであったとしても!」
「そうだよドタチン!何たって今年は手縫いでカレンの服作ったんだから!!イレヴンって呼ぶなー!!」

それがなぜ許される理由になるのか理解できない門田だったが、目はすでにこの光景に慣れてしまったことがすこぶる残念でしかたない。
自分も確かにこの池袋の住人なんだと思えば、少しだけ胸の奥が寂しくなった。


「で、竜ヶ峰はなんで臨也の馬鹿に追いかけられてんだ?」
「そりゃーもう」

大きく胸の開いたデザインの服を着た狩沢は、むふっ、と男が見せるような下世話な笑みを浮かべ、相方の遊馬崎と手を繋いで大声で、はもってみせた。

「「今日がハロウィンだからっ!!」」

残念だ。
門田は大きなため息を吐いて頭を抱えた。なんで今年に限ってハロウィンは日曜なんだ、と嘆く。仕事をしていれば少なくともこんな上気を逸した状況を見かける機会は減ったはずなのに。
ふと、目を上げれば、喧騒はやや近づいて来ていた。
恐らく後ろの2人を振り切れなくて、帝人は自宅に戻ることを諦め、あの2人が入って来れない学校に向かうつもりなのだろう。
限界に近い形相で走る先頭の帝人が見えた門田は、近くを通り過ぎるときにせめて応援でもしてやろうと苦笑して手を上げた。

「か、門田さん……」
「よう竜ヶ峰。今日も大変そうだな」

ついでに、と持っていたペットボトルを振って見せれば、元々体力のある方ではない帝人がフラフラと横で立ち止まった。
ペットボトルのキャップを開けて渡してやれば、見ているほうが気持ちいいくらいの勢いで飲み干していく。
顔面を真っ赤にして息を乱す姿は、精一杯、と言ったところだ。ゼイゼイと肩で息をする帝人が、走りすぎるとたまになる吐き気に襲われてうめいた。

「なんで僕がこんな目に…」

この池袋の中では、わりと常識人であるはずの帝人がこの喧騒の中心人物であるのだから、門田は当然ながら酷く同情した。
同じようにこの状況が異常であるという感覚を持ち合わせた少年に、門田は肩の手をついて言った。

「竜ヶ峰、俺に手伝える程度なら手伝ってやるからな」
「うう…門田さんっ、ありがとうございますぅー」

極限状態だったのか、帝人は半ば泣きそうになりそうになりながら門田に抱きついた。
もう「兄さん」と呼んでくれていい、と思いながら、それは狩沢に毒されている気がして門田は言わずに取っておく。
そのうちに、忘れていた怒声が2つ、近づいて来た。

「ちょちょちょ、ドタチンどういうことwww」
「いーざーやー!てめぇは先に死んでろぉぉぉぉぉおお!」

先に、ってことは俺その後に殺されるのかな、門田は一気に寒くなった背筋に全身を凍らせる。
すでに走るのには限界そうな帝人を突き放して自分だけ逃げるのは男のすることでない。だがしかし、これ完全に巻き込まれると死んでしまう感じだろう。
門田に迫った生命の危機を、バックに佇む黒の騎士団2人は指差して笑っている。
ああ、ここに救世主はいないわけだ、と一気に諦めが襲った。