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【DRRR】ryはろウィン【戦争サンド+@】

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「ふ、ふたりとも、いい加減に、しませんか…?」

少し落ち着いたにしてもまだゼイゼイと息を荒げたままの帝人が、門田の前に立つ。
こんなになってまで、巻き込まないで済むようにと身を張る小さな背中に、門田は確かに漢を見た。

「だったら帝人くん、ほらほら、Trick or Treat!」

ああ、それがしたくて追い掛け回していたわけか。何てウザ…、はた迷惑な男だろうか。
自信満々に言うからにはきっと、帝人がお菓子の類を持っていないことを知っていて聞いているのだろう。帝人は大きなため息を吐いてからその残念な男に対して、ペットボトルを突き出した。
それは、先ほど門田が渡して帝人がほとんど飲んだお茶である。

「僕の飲みさしでよければどうぞ」
「ちょ、それってお菓子じゃないよね」
「いらないんでしたら」
「いえ、いります」

丁重に受け取ってから浮かれて踊る臨也に、門田は眉を寄せた細目を向けた。
それ、俺の飲みさしでもあるんだぞ、と。

「み、帝人!」

俺も、俺もと言いたげに、大の男が、先ほどまで自販機を投げ飛ばしていた手を帝人に差し出していた。
自分の同窓生はこんなにも残念な連中の集まりだったか、と門田は更に目を線のように細くして達観した表情でそんな光景を見つめる。
帝人は、それに応える前に、遊馬崎と狩沢の2人組を振り返った。

「あ、あの! Trick or Treat!!」
「やーん、みかみかチョー可愛い!」
「今なら限定版で発売されていたセシル嬢キャンディーがあるんスよ!」

セシル…、それは危険じゃないのか?
門田が意外にも知っている知識を自己内でだけ広げながら、言葉には出来ずに見守っていた。
それを持って勢いよく振り返ると、帝人はそれを持って静雄の前に立つ。
まさか。

「はい、静雄さん」

どちらに対しても本人の前であからさまな使いまわしだ…っ!
常識人と信じていた帝人の行動に門田がガクリと膝をついた。
だがどうだろう、これが帝人にとっての正当防衛だと考えれば、確かに納得がいく。
顔を上げれば、ちょっと嬉しそうに礼を言う静雄と帝人の姿が目に入った。
それいいのか、静雄は。

「でさ、帝人くんも当然言うよね?俺に!!」
「は?」
「臨也、死んでろ。俺、今なら菓子持ってるぞ」

意気揚々と帝人からのセリフを待つ臨也と、それが常識と思い込んだのか、先ほど帝人に渡された飴を掲げた静雄がいる。
いや、飴を少し見つめた後、もったいなくなったのか、ポケットを探り、別の物を取り出した。
どうでもいいが、ソレ禁煙用のガムだぞ。
帝人が口に入れる前には止めなくてはならない、と門田はこれ以上細くなりようの無い目を更に更に細くして突っ立っていた。
すでに目を開けてるのかどうかいつも分からない遊馬崎より細目だろう。

「え、えと……」

何をどうしても残念な結果にしかならなさそうな2人を前に、帝人は周囲に何か使えそうなものはないかと見回す。
そこにあったのは、せいぜい門田くらいなものだった。
ああ。俺か。

「あ、あの、門田さん!」

ついに俺を巻き込むことを決めたらしい。帝人は両手を合わせて、謝罪のポーズをとりながら何度も頭を下げて言った。

「Trick or Treat!!」

自分が買ったコンビニのレジ袋は先ほど渡草が乗り去った車の中に入っている。
それだけ持って降りたお茶のペットボトルは、その向こうで臨也が嘗め回し…、きめぇ。
ポケットには確か小銭とキーケースとサイフと携帯だけ入っているはずだ。

「……あー。何も持ってねえ」

ポン、ポンと服の上からポケットを探ってみてから、細目の門田が棒読みに言った。
その言葉を待ってましたと言わんばかりに、帝人が門田に飛びつく。

「ではイタズラですよね!僕は門田さんにイタズラを決行しますので、早速行きましょう!」
「移動すんのか?」
「もちろんです、イタズラですから!」

飛びついたところから顔を上げた帝人の目は開いてはいるもののぐるぐると回っていて、思考が追い付いていそうな状況ではない。どんぐり眼とはこういうのを言うのだろう、手一杯と言った様子だ。
ああ、言い訳なんだな。うん。手伝える程度に手伝うって言ったしな。
門田はそのまま、帝人に引きずられるような、帝人を引きずるような格好で歩き出した。そして2人して振り返ると、勢いよく手を上げてユニゾンした。

「「じゃっ!!」」

言うが早いか駆け出した2人を、わずかに呆然とした臨也と静雄が見送る。
およそ5秒ほどしてから、池袋名物の追いかけっこは再開された。+1名したからには、池袋サンドイッチは具を増量した豪華版を予定しておかなければならないだろう。
そんな計画をたてる遊馬崎の横で、狩沢がもう少し対象を限定していて、尚且つ手間を減らして稼げそうな提案を立てていた。

「みかみか総受け戦争サンドでドタチンオチ。いや、ドタチン総受け……」
「大阪のイベントはもう今日終わったっスよ。次は東京125で…、あ、そういやパンフの表紙はデュラララ!!だったかな」

ハロウィンは今年もつつがなく終了のお知らせのようだ。