ANGEL
自称天使にどんなことを言ったところで「お前なんか!」と叫ぶだけで話にならない。初めはあきれと憐れみの気持ちでアーサーに接していたアルフレッドだったが、しだいに苛々とした気分になってくる。アーサーに対して気が長い性分とはとてもいえなかったのでなおさらだ。
「どうでもいいけどさ、動けるんだったらもう帰ってくれないかい?」
「へっ?」
「へっじゃないよ。何しに来たのか知らないけど、迷惑なんだ。わかる?」
ドアに向かい指先で叩いた後、親指を外へと向ける。GO,HOME。大袈裟なほどはっきりした口調で言ってやる。だいたい、アーサーがこんな変な行為をしている時は酔っていたりとにかくいいことが一つもない。ヒーローといえど変態なおっさんを相手にしている暇はない。