二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

2人だけのハロウィン

INDEX|3ページ/4ページ|

次のページ前のページ
 



少し考えれば…可能性に気付くことができただろう。

アイツは…留守だった。

「…俺様…かっこ悪いぜ…」

自分は何を期待していたのだろうか。

アイツなら…家に居て…驚いた顔で俺を迎え入れてくれるだなんて…。

あのときのように…2人でハロウィンを祝えるんじゃないかって…。

「しかたねーし…帰るか。」

ふぅ…深く息を吐き出し…振り返った瞬間…

「トリックオアトリート!ギール君っ♪」

「おわぁっ!?」

予想だにしない出来事に…俺は思わずおかしな声を上げてしまう。

呼吸を整え…声のする方を見上げると…仮装したアイツがいた。

「おまっ…イヴァン!いきなり何すんだよ!びっくりするじゃじぇねーか!」

「それはこっちの台詞だよ。人の家の前で何してるのかな〜?

  ……まぁ、仮装してる時点で…大体想像はつくけどね。」

イヴァンは悪戯を成功させた子供のような笑顔を見せた。

くそ…これじゃ、立場が逆だ…。

でも…ここで引き下がったら俺様がすたる…!

こいつは今帰ってきたところだし…どうせお菓子なんて用意していないだろう。

こうなったら思いっきり悪戯してやる…。

「…イヴァン…トリックオアトリート!!って事で悪戯するぜ!けせせせせー!」

「…いいよ。中に入って。僕の手作りでよければ…お菓子あるし…お茶くらい出すよ。」

一瞬…イヴァンが何を言ったのかわからなかった。

お菓子が…あるだと…?

「え…なんで…?」

「何となく…かな。今年は君がハロウィンに来てくれそうな気がしたんだ。
  
  …で、入るの入らないの?あの時よりは…作るの上手くなったと思うんだけど…。」

あぁ…お前も、2人だけのハロウィンの事を覚えて居たんだな。

何故だろう…胸の辺りが…一気に暖かくなった。

「ありがたく…戴いてやるぜ!」


2人だけのハロウィンパーティ。

あの時と同じありあわせの衣装で。

あの時よりおいしくなったアイツの手作りのお菓子で。

あの時と変わらない…笑顔のアイツと…

2人だけの小さなハロウィンを祝おう。





「…ところで…そんな格好でどこに行ってたんだ?」

「ん〜菊君に頼まれてね〜アル君とこで受付してたんだー。」



作品名:2人だけのハロウィン 作家名:雪夏