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【DRRR】月夜の晩にⅡ.5【パラレル臨帝】

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「……帝人くん?」

見知った姿はなかった。
ただ、小柄な青年がそこにいた。

「……あ、あれ?何か……」

目にうっすらと涙を浮かべていた帝人も、異変に気が付いて自分の手を持ち上げて見る。
ぷくぷくとした子供らしい手はなく、すらりと白い指が並んでいた。

「………いいいい、臨也さんんんんっ!?」
「まあまあ、ちょっと落ち着きなよ。とりあえずもうちょっと…」

何がとりあえずなのか、臨也は再び帝人に顔を近づけて、キスを再開しようとする。
そこに、ひょろりと伸びた腕が思い切りビンタを食らわせた。

「何が落ち着きなよ、ですか!今んなことしてる場合じゃありません!一大事ですよ!?」

殴られた臨也を更に吹き飛ばす勢いで帝人は体を起こし、ベッドから飛び出る。
子供用だったパジャマがちぎれて無残な姿になっており、ヒョロリと長い体を持て余した帝人は、1度バランスを崩してふらふらと体を揺らした。
今まで見てきた世界とまるで違う高い視点。体が長くてバランスが取り難い。

「えー、だって今、そういう雰囲気だったじゃない」
「僕の体を見て言って下さい!!」

そう激怒され、臨也ももそもそとベッドを出ると、帝人の横に立つ。
臨也よりも20cmほどは低そうな身長。けれどそれは確かに少年と青年の中間のような年齢を感じさせる骨っぽい体で、すらりとした手足をしていた。
おでこの出た短髪はそのままに、童顔ではあるも大人びた表情をする顔。意志の強い目が、真ん丸だった形から少し引かれ、甘さは残るものの、気の強さを前面に出していた。
白い肌、黒い髪、青い目、そこに真っ白の耳だけが、何だか見慣れないからか不自然だ。

「……僕、…臨也さんより身長高くなると思ってたのに……」

自分が大きくなったことに対する1番目の感想がそれ、ということに臨也が噴出した。

「君が俺より大きくなるとか、ありえないから」
「だって!?……ちょっと確認してきます」

帝人は小走りに寝室を出て、洗面への方へと走った。
寝室にもクローゼットを開ければ姿見があるのだが、臨也はその後ろ姿を苦笑しながら見送った。苦笑できないのはこの下半身だ。生理的な現象を兆している。すでに体が小さい状態のときからこうなっていることに罪悪感はあるものの、今、あの帝人なら許される、…気がする。
洗面方面からは、叫び声が聞こえた。
どたばたとした足音が戻って来て叫ぶ。

「いいい、臨也さん、僕何だか、あんまり大人っぽくありません…っ!」
「俺としてはイメージ通りだけどなあ」

彼の精神面から推察すると、二十歳前後。その年齢からすると童顔で、くるくると動く目は大きくて、赤い唇が目立つ。女っぽさはないのにどこか甘い雰囲気を残していて、男にしては華奢で筋肉質でないインドア派な体格は中性的な印象を持たせる。
臨也が抱いていたイメージに近いものがあった。

「僕もっと、ガッシリ、ゴツゴツ」
「あはは、体をもっと鍛えないと無理無理。っていうかそんな帝人くん見たくないよ」

悔しがる帝人をひとしきり笑って、臨也は確認する。

「で、それって戻るの?」
「月の加護から離れることでなるものですから、恐らく迎えが来る時の強い再加護を受ければ戻ると思いますが」
「なら、問題ないよね」

臨也は帝人の腕を引いてベッドに倒れ込んだ。
先ほどまで広々としていたダブルベッドは、なかなかちょうどいいサイズになっている。

「な、何するんで」
「何って、もう寝ないといけない時間だよね?」

どもる帝人に微笑みかけながら、臨也はそのまま引っ張ってベッドの中に引きずり込む。
その目がいやに真剣で笑っていないせいで、帝人は嫌な予感しかしない。

「あ、そのパジャマもう破けれるし、脱いだら」
「じゃ、じゃあ臨也さんの寝巻きをお借りします」

布団の中でもぞもぞと服に手をかけてくる臨也に、帝人は体を引きながら再び起きようとする。
が、その腕を掴んだままの臨也が離さずに、さらに深く、ニンマリと笑った。

「いやいや。大人は何も着けずに寝るものだよ?」

駄目だ、この人確信犯だ。
帝人は口を一文字に引き絞って、固まった。

「い、今着てるじゃないですか」
「これはほら、帝人くんが子供だったから」
「関係ありません。僕はちゃんと今まで通り服を着て寝ます。臨也さんの寝巻き、まだありましたよね」
「子供っぽく扱われるの嫌なんでしょ?体も大人っぽくなったんだから、大人らしい行動をとろうよ帝人くん。ほんと、大人は裸で寝るもんなんだから。……欧米は」

欧米、という単語にいまいち聞き覚えのなかった帝人がどう返答するか一瞬悩む間に臨也の手が素早く服を引き剥がしにかかる。
その文化が国外でもごく一部である、ということをわざわざ説明する臨也ではない。
ぺロリと履いていた下着がいとも簡単に引き剥がされた。

「諦めなよ?」

大きくなったのに、体格差を越えられなかった帝人は、とりあえず体力が尽きるまでは抵抗しようと、心に決めるのだった。