I eat up your heart. Ⅱ
思い返してみれば本当に不思議な出会いだ。
どうしてあの時、耀さんは
―――我とずっと…一緒にいるよろし。
と、言ったのだろう?
「ねぇ…耀さん。」
月を眺め続ける彼に話しかける。
「なんで…あの時、私とずっと一緒に……」
ふいに抱きしめられた。
九つの尾がふわふわと揺れる。
「……耀さん?」
「あのこと、あるな。」
「…はい。」
「もしも我の中の本性が目覚めてこの国を滅ぼそうとしたら…
お前に殺してほしいある。だから…」
いつもの強気な彼の心の奥を少しだけ見た気がした。
ずっと闘っていたんだ。
いつ目覚めるかわからない自分の本性と。
―――私ト同ジ。
「これからも、一緒にいていいあるか?」
「…もちろん。」
また夢を見た。
いやな夢じゃなくてとても…幸せな夢。
何よりも大切なモノがあって何よりも大切な人が隣にいる夢だ。
―――それが夢で終わりませんように…
作品名:I eat up your heart. Ⅱ 作家名:狼華