angel lamp3
あれから5日経つけれど、子供達の姿は、ぱたりと見られなくなった。
彼女も僕も、そのことには特に触れずに、いつも通りの日常を繰り返す。
そんな中、マスターの婚約者である男性が、彼女を訪ねてきた。
「いらっしゃい。会えて嬉しいわ」
馬車から下りた男性に、彼女が声を掛ける。
「急に押し掛けたりして、すまない」
「気にしないで。お客様は、いつでも大歓迎よ」
彼は、彼女の肩に手を置くと、頬にキスをした。
・・・・・・・・・。
この人は、マスターの婚約者なのに、何故、彼女に親しげな態度を取るのだろう。
大体、来るのなら、マスターと一緒に来ればいいのに。
「ここの生活には、大分慣れた?何か必要なものがあったら、言って欲しい。すぐに手配するから」
彼は、さりげなく、彼女の腰に腕を回す。
彼女は、微笑みながら、彼を見上げ、
「ありがとう。何かあったら、お願いするわ」
「そうして欲しい。君は、いつも遠慮するから・・・」
玄関に向かう二人から離れ、僕は、馬車を繋ぎに行った。
作品名:angel lamp3 作家名:シャオ